「日常的に暴力を振るう息子がいる」
「親の金を無心する非行娘がいる」
このような方に向けて書きました。
「いくら我が子とはいえ、こんな子には遺産をびた一文もやりたくない」
このように考えている方に朗報です。
相続人の廃除で相続人の地位を剥奪することができます。
相続人の廃除を行うことで、「遺産をびた一文もやりたくない」と思う推定相続人の相続権を剥奪することができます。
この記事では、相続人の廃除について、認められるケースや手続き方法について解説しています。
この記事を最後まで読んで、「遺産をびた一文もやりたくない」と思う相続人を廃除するのに役立ててください。
もくじ
1.相続人の廃除とは相続人の地位を剥奪すること
被相続人は、相続人から虐待を受けたり、重大な侮辱を受けたりしたとき、またはその他の著しい非行が相続人にあったときに、相続人の地位を剥奪することができます。
廃除の対象となるのは、配偶者・子とその代襲相続者・直系尊属など、遺留分を持っている推定相続人です。
被相続人の兄弟姉妹は遺留分を持っていないので、廃除の対象となり得ません。
遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
2.相続人の廃除が認められるケース
「どのようなケースで相続人の廃除が認められるのでしょうか」
相続人の廃除が認められるケースを紹介していきます。
2ー1.虐待・重大な侮辱があった
推定相続人から重大な侮辱を受けたと認められる場合、相続人の廃除ができます。
具体的な例は次のようなものです。
- 日常的に殴る蹴るなどの暴力を振るっていた
- 同居していながら病床に伏す親の介護を一切しなかった
- 日常的に「早く死ね」などの暴言を吐いていた
このようなケースで、虐待・重大な侮辱があったとされて、相続人の廃除が認められます。
ただし、喧嘩で感情的になったなどで、一時的に暴言・暴力があった、というケースでは認められないことが多いです。
2ー2.著しい非行
推定相続人に著しい非行があったと認められる場合、相続人の廃除ができます。
具体的な例は次のようなものです。
- 娘が暴力団員と結婚し、父母は結婚に反対していたのに父の名で披露宴の招待状を出した
- 定職につかず浪費を重ねて、親の金を無心した
- 親の財産を無断で売却して得たお金を娯楽に使用した
このようなケースで、著しい非行があったとされて、相続人の廃除が認められます。
2ー3.認められないケース
相続人の廃除が認められることは、あまり多くはありません。
虐待・重大な侮辱・著しい非行があったように思われても、相続人の廃除が認められないことがあります。
暴力や暴言が一時の感情による一時的なものである場合や、被相続人側にも非がないとは言えないような場合に、相続人の廃除が認められないことがあります。
先ほどの例を見ても、相続人の廃除が認められるのは、かなり極端なケースであることがわかります。
とはいえ、我が子に対して「遺産を相続させたくない」と思うくらいですから、よほどのことがあったのだと思いますので、相続人の廃除を試みる価値はあると思います。
相続人の廃除が認められるケースは多くはない
https://www.souzoku-sap.com/15008956541084
3.相続人の廃除の手続き
「相続人の廃除は、具体的にどのような手続きを行えばできるのでしょうか」
ここから、相続人の廃除の手続きについて紹介していきます。
相続人の廃除の手続きは、生前に家庭裁判所に申し立てる方法と、遺言書で相続人の廃除をする方法があります。
3ー1.生前に家庭裁判所に相続人の廃除を申立てをする
まず、生前に相続人の廃除をする方法をご紹介します。
家庭裁判所に申立する
被相続人の住居地を管轄する家庭裁判所に相続人の廃除を申し立てます。
推定相続人廃除審判の申立書を提出します。
推定相続人廃除審判の申立書は家庭裁判所で入手できます。
添付書類として、申立人(被相続人)と相手方(廃除したい推定相続人)の戸籍謄本(全部事項証明書)が必要です。
費用は、収入印紙800円分と、郵便切手代(裁判所によって異なる)が必要です。
市区町村への届け出をする
無事に推定相続人の廃除を認める審判が決したら、市区町村への届け出をする必要があります。
被相続人の戸籍がある市区町村役場に審判書を添付します。
市区町村への届け出まで終われば、晴れて相続人の廃除が完了です。
3ー2.遺言書で相続人の廃除をする
遺言によって相続人の廃除をすることもできます。
基本的な手続きは、生前に家庭裁判所へ申立する方法と同じですが、遺言執行者が行う必要があります。
遺言執行者と、相続人の廃除をする旨を記載しておきましょう。
4.遺産をやりたくない推定相続人がいる場合は相続人の廃除をする
遺産を相続させたくない推定相続人がいる場合に、相続の廃除をして、相続人の地位を剥奪することをご紹介しました。
認められるケースは多くはありませんが、推定相続人の暴力・暴言・非行などで苦しんでいる方は、ぜひ相続人の廃除をしてください。
5.日本法規情報「相続サポート」プログラム
相続人の廃除の他、相続周りの問題はたくさんあります。
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がんばれ by 某google社員
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