贈与税の時効は6年だが税務署にバレてしまうリスクが大きい【相続】

「贈与税の時効は何年なんだろう」
「贈与税って時効を待って逃げ切ることできるのかな」

こんな疑問を持っている方に向けて贈与税の時効について書きました。

「相続対策に生前贈与をしているけれど、申告せずに逃げられないかな」
「申告し忘れていたけれど、黙っておこうかな」

と考えている方に、贈与税の時効についての解説・贈与税の無申告がバレてしまうケース・バレたらどうなってしまうのかについての紹介をしています。

1.贈与税の時効は6年(実質7年)

相続税法36条によれば、贈与税の時効は6年と定められています。

相続税法36条

税務署長は、贈与税について、国税通則法第七十条(国税の更正、決定等の期間制限)の規定にかかわらず、次の各号に掲げる更正若しくは決定(以下この項及び第三項において「更正決定」という。)又は賦課決定(同法第三十二条第五項(賦課決定)に規定する賦課決定をいう。以下この条において同じ。)を当該各号に定める期限又は日から六年を経過する日まで、することができる。この場合において、同法第七十一条第一項(国税の更正、決定等の期間制限の特例)の規定の適用については、同項中「が前条」とあるのは「が前条及び相続税法第三十六条第一項から第三項まで(贈与税についての更正、決定等の期間制限の特則)」と、「、前条」とあるのは「、前条及び同法第三十六条第一項から第三項まで」とする。

  • 一 贈与税についての更正決定 その更正決定に係る贈与税の第二十八条第一項又は第二項の規定による申告書の提出期限
  • 二 前号に掲げる更正決定に伴い国税通則法第十九条第一項(修正申告)に規定する課税標準等又は税額等に異動を生ずべき贈与税に係る更正決定 その更正決定に係る贈与税の第二十八条第一項又は第二項の規定による申告書の提出期限
  • 三 前二号に掲げる更正決定若しくは期限後申告書若しくは修正申告書の提出又はこれらの更正決定若しくは提出に伴い異動を生ずべき贈与税に係る更正決定若しくは期限後申告書若しくは修正申告書の提出に伴いこれらの贈与税に係る国税通則法第六十九条(加算税の税目)に規定する加算税(次項及び第三項において「加算税」という。)についてする賦課決定 その納税義務の成立の日

また、国税通則法第70条によると、故意に申告をしなかった場合、時効は7年となります。

国税通則法第70条

(前略)

4 次の各号に掲げる更正決定等は、第一項又は前項の規定にかかわらず、第一項各号に掲げる更正決定等の区分に応じ、同項各号に定める期限又は日から七年を経過する日まで、することができる。

  • 一 偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、又はその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税(当該国税に係る加算税及び過怠税を含む。)についての更正決定等
  • 二 偽りその他不正の行為により当該課税期間において生じた純損失等の金額が過大にあるものとする納税申告書を提出していた場合における当該申告書に記載された当該純損失等の金額(当該金額に関し更正があつた場合には、当該更正後の金額)についての更正(前二項の規定の適用を受ける法人税に係る純損失等の金額に係るものを除く。)
  • 三 所得税法第六十条の二第一項から第三項まで(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)又は第六十条の三第一項から第三項まで(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例)の規定の適用がある場合(第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出及び税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第三十条(税務代理の権限の明示)(同法第四十八条の十六(税理士の権利及び義務等に関する規定の準用)において準用する場合を含む。)の規定による書面の提出がある場合その他の政令で定める場合を除く。)の所得税(当該所得税に係る加算税を含む。第七十三条第三項(時効の中断及び停止)において「国外転出等特例の適用がある場合の所得税」という。)についての更正決定等
    (国税の更正、決定等の期間制限の特例)

110万円を超える贈与があった際「申告しなければいけないことを知らなかった」ということは考えづらいので、時効は7年と考えておくべきでしょう。

「どのタイミングからカウントして7年なのでしょうか」

例えば、2019年1月1日から2019年12月31日の間に贈与があったとします。

この場合、2020年の2月1日から2020年の3月15日の間に贈与税の確定申告をする必要があります。

そして、2020年3月16日から時効のカウントが開始します。

2027年の3月16日まで逃げ切ることができたら、おめでとうございます、贈与税の時効が過ぎたことになります。

ただし、時効が成立しない場合というのがあります。

次から贈与税の無申告がバレたり贈与税の時効が成立しなかったりするパターンを紹介していきます。

2.無申告がバレる・贈与税の時効が成立しない3パターン

「贈与から7年バレずにいれば贈与税から逃れられるのか」

このように考える方もいるでしょう。

しかし税務署はそんなに甘くありません。

贈与税の無申告がどのようにして税務署にバレるのか、あるいは時効が認められないのか、ここでは代表的な3つのパターンを紹介します。

贈与税の無申告がバレる・時効が成立しない3パターン
  1. 相続が発生する
  2. 不動産を取得する
  3. 明らかに脱税目的とわかる

2-1.相続が発生する

時効が過ぎる前に、相続が発生すると、税務署の調査が入るため贈与があったことがバレます。

時効が過ぎてから相続が発生しても、税務調査の際に贈与と認められないケースがあります。

贈与の際にきちんと証拠を残しておかないと「これは贈与です」と言い張っても、税務署から「これは相続です」と言われてしまい、贈与税の時効を過ぎていても相続税を取られることがあります。

注意
  • 相続が発生すると税務調査が入ってバレる
  • 贈与の証拠がないと時効を過ぎていても相続扱いになる

税理士ドットコムで最適な税理士選び

2-2.不動産を取得する

贈与を受けた人が、不動産を取得して贈与がバレるケースもあります。

不動産を取得すると、不動産登記を行わなければなりません。

この情報は法務局を通じて税務署にも見られます。

不動産登記したことによって贈与があったことがバレてしまいます。

注意
  • 不動産を取得すると登記によって税務署にバレる

2-3.明らかに脱税目的の場合

明らかに脱税目的で悪質であると判断された場合、7年を経過していても時効が成立しないケースがあります。

実際に7年を過ぎていたにも関わらず時効が認められずに課税された事例があります。

この事例では、不動産を贈与する際、贈与契約書を公正証書で作成しておきながら、登記を時効が成立するまで待ってから行うという手口を使いました。

当初から計画的に贈与税を免れようとしているのが悪質であると判断されて、結果的に時効は認められませんでした。

注意
  • 明らかに脱税目的とわかる場合は、時効が成立しないことがある

3.贈与税の無申告がバレた時のペナルティ

「無申告が時効前にバレたらどうなるのでしょうか」
「時効が認められなかったらどうなるのでしょうか」

もしかすると、現在時効が成立するのを待っている人は、万が一時効が成立したらどうなるのかドキドキしているかもしれません。

贈与税の無申告がバレてしまった時、どのようなペナルティが課されるのかご紹介します。

3-1.無申告課税

税務署から無申告であることを申告されてから贈与税の申告を行った場合、本来納めるべき贈与税の額に対して、無申告課税がされます。

無申告課税の税率は15%(50万円を超える分に対しては20%)を支払わなければいけません。

仮に、贈与税として80万円納めなければならなかったとします。

無申告であることがバレてしまった場合、50万円の15%と30万円の20%の合計で、13万5千円が無申告課税となります。

本来、80万円の納税で済んだところが、93万5千円に増えてしまいます。

なお、税務調査の事前通知があるよりも前に、自主的に無申告であったことを申し出れば、税率は5%に下がります。

3-2.重加算税

無申告加算税が課される場合において「脱税のためにわざと申告しなかった」など悪質な場合、基礎となる税額に対して40%の税率で追加課税されます。

単に忙しくて申告ができなかった・忘れていたということであれば、無申告課税で済むのですが、わざと無申告だった場合、無申告課税ではなく重加算税になります。

多くの場合、課税を逃れるために意図的に申告しないケースに当てはまるでしょうから、無申告がバレると重加算税が課せられます。

仮に、贈与税として80万円納めなければならなかったとします。

わざと無申告だったことがバレてしまった場合、80万円の40%で32万円が重加算税となります。

本来80万円の納税で済んだところが、112万円に増えてしまいます。

注意
  • 贈与税の無申告がバレると重加算税が課される

税理士ドットコムで最適な税理士選び

4.年間110万円を超える贈与を受けたら真面目に申告しましょう

贈与税の時効について解説しました.

贈与税の時効は6年ですが、故意に無申告だった場合7年になります。

また、贈与税の無申告が時効前にバレてしまったり、時効が成立しなかったりするケースをご紹介しました。

相続が発生したり、不動産の取得をした場合に、税務調査が入ってバレてしまいます。

明らかに悪意があるとみなされた場合は、7年を過ぎていても時効が成立しないことがあります。

贈与税の無申告がバレてしまった場合は、重い追徴課税がされることについてもご紹介しました。

「相続対策のために生前贈与をして贈与税の時効を待とう」と思っていても、バレた時のリスクやバレやすさを考えると、とても危険です。

贈与税の無申告は全くメリットがないのでやめておきましょう

複雑な相続税申告は税理士に任せましょう。

正しく納税額を算出し納めることができるので後々問題になりにくく安心して任せることができます。

相続には必要な手続きがいくつもあるので時間の節約にもなります。

近所の税理士を探している方はコチラ