夫にもしものことがあったら遺族年金はいつまでいくらもらえるの?【徹底解説】

遺族年金っていつまでいくらもらえるの?

「夫に万が一のことがあったら、子どもを養っていけない」
「夫に先立たれてしまったら、老後の生活が経済的に不安だ」

この記事はそんな方に向けて書いています。

「夫に万が一のことがあったら…」
「夫に先立たれたら…」

想像したくないことですが、先のことを真剣に考えると、そんなことも頭に浮かんできますよね。

家族の生活を支えている方が亡くなった時に、残された遺族を守る制度の1つに遺族年金というものがあります。

遺族年金は、一家の生計を立てている方が亡くなった時、残された家族が年金を受け取るための制度です。

「遺族年金という言葉は聞いたことあるけれど、ややこしくてよくわからない」
「遺族年金っていつまでいくらもらえるのかわかりづらい」

このような悩みに応えるべく、この記事では、遺族年金についてわかりやすく丁寧に解説しています。

この記事を最後まで読めば、「夫に万が一のことがあったら、遺族年金はいつまでいくらもらえるのか」ということがわかるようになります。

「夫にもしものことがあったら、私たちの生活は…」

そんな悩みを持っている方に少しでもお役に立てれば幸いです。

1.遺族年金は2種類ある!遺族基礎年金と遺族厚生年金

遺族年金には遺族基礎年金遺族厚生年金の2種類があります。

いきなり漢字ばかり出てきてうんざりしているかもしれませんが、この2つの一体何がどう違うのか丁寧に解説しますので、安心してついてきてください。

1-1.遺族基礎年金は夫の職業に関わらずもらえる遺族年金

遺族基礎年金は、夫の職業がサラリーマンであっても自営業であってももらえる遺族年金のことです。

用語を使って説明すると、国民年金から支給されるのが遺族基礎年金です

国民年金は国民全員加入している年金ですので、国民年金から支給される遺族基礎年金は、職業に関わらず受給することができます。
ただし、子どもがいることがもらえる条件です。
詳しくは後ほど説明します。

1-2.遺族厚生年金は夫がサラリーマンや公務員の場合にもらえる遺族年金

遺族厚生年金は、夫の職業がサラリーマンや公務員の場合にもらえる遺族年金のことです。

用語を使って説明すると、厚生年金から支給されるのが遺族厚生年金です

遺族基礎年金の対象者でもある場合、遺族基礎年金と合わせた額が支給されます。

MEMO
  • 遺族基礎年金:国民年金から支給される
  • 遺族厚生年金:厚生年金から支給される

2.遺族年金をもらうための条件

先ほどはイメージを掴んでもらうために、おおざっぱな説明をしましたが、ここから遺族年金をもらうためのきちんとした条件を説明していきます。

2-1.遺族基礎年金をもらうための条件

日本年金機構のHPによれば、遺族基礎年金をもらうための条件は次のように書かれています。

遺族基礎年金をもらうための条件

国民年金の被保険者等であった方が、受給要件を満たしている場合、亡くなられた方によって生計を維持されていた「子※のある配偶者」または「子※」が、遺族基礎年金を受け取ることができます。

※子とは

  • 18歳になった年度の3月31日までの間にある子。(受給要件を満たした国民年金または厚生年金保険の被保険者(被保険者であった方)が死亡した当時、胎児であった子も出生以降に対象となります。)
  • 20歳未満で、障害等級1級または2級の障害状態にある子。
  • 婚姻していないこと。

日本年金機構のHPより

わかりやすく言えば、国民年金に加入中の方が亡くなった場合、高校生までの子ども(何らかの障がいを持った子どもの場合、未成年まで)がいる配偶者または子どもに支給されるということです。

遺族基礎年金は、子どもを養うための年金なので、子どもがいることが受給される条件となるのです

2-2.遺族厚生年金をもらうための条件

遺族厚生年金は、次のような条件を満たす場合にもらうことができます

遺族厚生年金をもらうための条件
  • 夫が厚生年金の被保険者であること
  • 夫が厚生年金の被保険者期間中にかかった病気や怪我などで初診日から5年以内に亡くなった
  • 夫が1級または2級の障害厚生(共済)年金の受給資格があること
  • 夫が老齢厚生年金の受給資格がある

遺族基礎年金と違うのは、子どもがいるいないに関わらずもらうことができます

3.遺族年金いくらもらえるのか

遺族年金をもらえるのかどうかがわかったところで、気になるのは「遺族年金をいくらもらえるのか」ということですよね。

ここから遺族年金がいくらもらえるのか支給額について解説していきます。

3-1.遺族基礎年金は年間100万円〜

遺族基礎年金は、お子さんが1人の場合、年間1,004,600円もらえます。

お子さんが2人の場合、年間1,229,100円、
お子さんが3人の場合、年間1,303,900円、
という具合に、お子さんの人数に応じて支給額が加算されていきます。

この金額は何を元に算出されているのかというと、次のような式に基づいて算出されています。

遺族基礎年金額の計算方法

780,100円 + 子の加算

子の加算は、第1子・第2子までは、1人につき224,500円、
第3子以降は1人につき74,800円となります。

遺族基礎年金もらえる金額
  • 年間1,004,600円(お子さん1人)
  • 年間1,229,100円(お子さん2人)
  • 年間1,303,900円(お子さん3人)

3-2.遺族厚生年金はだいたい月3〜5万円ほど

遺族厚生年金は、だいたい月額にして3万円〜5万円ほどもらえます。

もらえる金額は次の計算式(遺族厚生年金の計算方法①)から求められます。

遺族厚生年金の計算方法①

平均標準報酬月額というのは、平成15年3月までの被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で割って求めた額です。

平均標準報酬額というのは、平成15年4月以後の被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で割って求めた額(賞与を含めた平均月収)です。

標準報酬額は給与明細から見ることができます

例えば、平均標準報酬額が30万円で厚生年金加入期間が25年の場合、もらえる額は年間36万円くらいであることがわかります。

ただし、上の式で求めた数字が下の式(遺族厚生年金の計算方法②)で求めた数字よりも小さい場合は、その数字が報酬比例部分の年金額となります。

遺族厚生年金の計算方法②

MEMO
  • 遺族厚生年金は平均標準報酬額によってもらえる額が異なる
  • もらえる額はだいたい月3万円〜5万円くらい
  • 式に当てはめることで計算できる

4.遺族年金はいつまでもらえるのか

これまで遺族年金をもらうための条件、遺族年金でもらえる金額を解説してきました。

ここから、「遺族年金がいつまで支給されるのか」ということを解説していきます。

4-1.遺族基礎年金はお子さんが自立したらもらえなくなる

遺族基礎年金は、子どもを養うための年金なので、お子さんが遺族基礎年金受給条件を満たさない年齢になるともらえなくなります

4-2.遺族厚生年金は基本的には一生涯もらえる

遺族厚生年金は基本的には一生涯もらうことができます。

ただし30歳未満の子どもがいない妻は、5年間という期限付きでしかもらえません

若くて子どもがいない場合、自分で働いて生活することができるだろうという考えから5年間という期限が決まっています。

それ以外の場合は、一生涯もらうことができます。

※子どもが受給している場合を除く

遺族年金はいつまでもらえるのか
  • 遺族基礎年金:子どもが受給条件を満たしている間もらえる
  • 遺族厚生年金:30歳未満の独身は5年間 それ以外は一生涯もらえる

5.子どもがいない場合、国民年金の払い損になってしまうのか

遺族基礎年金は子どもを育てるための年金なので、子どもが自立している場合や子どもがいない場合には、もらうことができません。

しかし国民年金は国民全員が加入しているものです。

「子どもが自立している場合や子どもがいない場合で、夫が国民年金を受給する前に亡くなったら、保険料の払い損になってしまうのではないか」と思いませんか?

保険料の払い損を防ぐために、一定の条件を満たしている方には、寡婦年金や死亡一時金というものが支給されます。

5-1.寡婦年金をもらえる条件

寡婦年金をもらえる条件は、第1号被保険者の夫が保険料を10年以上納め続けていて、10年間、婚姻関係にあり、夫に生計を維持されていた妻が60歳〜65歳の間に支給されます。

ただし、夫が老齢年金を受給していた場合は、もらうことができません。

もらえる額は、老齢基礎年金の4分の3だけです。

5-2.死亡一時金をもらえる条件

死亡一時金は、第1号被保険者が保険料を36カ月以上納め続けていた場合、その方によって生計を維持されていた遺族に対して支給されます。

ただし、亡くなった方が老齢年金を受給していた場合は、もらうことができません。

もらえる金額は、保険料を納めた月数に応じて変わってきますが、だいたい120,000円〜320,000円です。

MEMO
  • 寡婦年金:夫に先立たれた妻に対して60歳〜65歳の間に支給される
  • 死亡一時金:保険料を納めた月数に応じて遺族に支給される

6.まとめ:遺族年金はいつまでいくらもらえるのか

遺族年金がいつまでいくらもらえるのかは、加入している年金の種類・子どもの有無・年齢などによって変わってきます。

遺族基礎年金は、18歳になった年度の3月31日までの間にある子どもがいる場合のみもらえます。
もらえる金額は子どもの人数によって変わってきますが、だいたい100万円〜130万円です。

遺族厚生年金は、厚生年金の受給資格がある人に先立たれた人がもらえます。
もらえる金額は標準報酬額によって変わってきますが、だいたい月に3万円〜5万円くらいもらえると考えておけば良いでしょう。
30歳未満の子どもがいない女性の場合、5年間という期限付きで支給されます。
それ以外の場合は、一生涯支給されます。

遺族年金受給者でも遺族厚生年金の受給資格を満たす場合、両方もらうことができます。

国民年金から支給される遺族基礎年金は子どもがいる家庭しかもらえないので、国民年金の払い損にならないように、寡婦年金という制度や死亡一時金という制度もあります。

また年金も死亡一時金も、受給する資格のある人が自分から請求しないともらうことができません

夫にもしものことがあったら、年金事務所や年金相談センターなどで、自分がいくら遺族年金を受給することができるのか相談しましょう。