相続人が行方不明!不在者財産管理人を立てるとき3つの注意点【相続】

相続人

母が亡くなったので遺産分割について考えることに。
父はだいぶ前に他界しているので私と兄と妹の3人で分割します。
しかし、兄は3年前からどこにいるかわからず連絡も取れません。
仕方がないので私と妹の2人で分割しようと銀行に行ったところ、
「相続人全員の印鑑証明と書類が必要」と言われました。
どうしたら良いのでしょう。

遺産分割には相続人全員の同意が必要なので、相続人の中の1人でも行方不明だと困ったことになります。

「行方不明なのは仕方がないから、行方不明の相続人を除いた相続人だけで分割すれば良いじゃん」と思われるかもしれませんが、それはできないのです。

相続人の1人が行方不明であっても、遺産の分割には相続人の全員の同意が必要です

そんなこと言ったってしょうがないじゃないか。
行方不明の兄からどうやって同意を得るんだよ。
このままじゃ遺産の分割ができないということ?

実は、相続人の1人が行方不明の場合、不在者財産管理人を選任する必要があります

この記事では、行方不明の相続人の代わりに不在者財産管理人を立てることについて解説しています。

この記事を最後まで読めば、相続人の1人が行方不明の場合、どうしたら良いのかということがわかります。

1.相続人が行方不明の解決策は不在者財産管理人を選任すること

不在者財産管理人とは、行方不明の人に代わって、行方不明者の財産を管理する役目を持った人のことです。

不在者財産管理人は、家庭裁判所の許可を得ることで、行方不明の人に代わって遺産分割協議に参加することができます

1-1.不在者財産管理人になれる人

不在者財産管理人には資格がなくてもなることができます。

弁護士や司法書士などの専門家に頼むこともできます。
行方不明者の親戚や友人を選ぶこともできます。

ただし行方不明者の親族を選任する場合、遺産分割に利害関係がないなどの適格性がある必要があります。

利害関係があると公平な遺産分割協議をすることができないからです。

1-2.不在者財産管理人選任の申し立て方

不在者財産管理人選任の申し立て先は、行方不明者の従来の住所地または居住地の家庭裁判所です。

必要な書類を揃えて家庭裁判所に提出します

申し立てに必要な書類一覧

  • 家事審判申立書
  • 土地財産目録
  • 建物財産目録
  • 現金・預貯金・株等財産目録
  • 不在者の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 不在者の戸籍附票
  • 財産管理人候補者の住民票又は戸籍附票
  • 不在の事実を証する資料
  • 不在者の財産に関する資料
  • (利害関係人からの申立ての場合)利害関係を証する資料

家事審判申立書の用紙は家庭裁判所で入手できます。

各種目録は裁判所が公開している雛形を元に作成します。

行方不明者の戸籍謄本(全部事項証明書)と戸籍附票は、行方不明者の本籍地の市区町村役場で本人の委任状がなくても取得することができます

財産管理人候補者の住民票は財産管理人候補者の住所地、財産管理人候補者の戸籍附票は財産管理人候補者の本籍地の市区町村役場で取得できます。

財産管理人候補者と申立人との関係によっては委任状が必要になる場合もあるので、財産管理人候補者自身に取得してもらいましょう

不在の事実を証する資料は、警察署長の発行する家出人届出受理証明書や返戻された不在者宛の手紙などが該当します。

不在者の財産に関する資料は、不動産登記事項証明書、預貯金や有価証券の残高が分かる通帳写しや残高証明書等があります。

利害関係を証する資料は、親族関係であれば戸籍謄本(全部事項証明書)ですが、契約関係であれば契約書の写し等が該当します。

MEMO

申立書や目録は家庭裁判所から入手できる

行方不明者の各種書類は本人でなくても取得できる

財産管理人の各種書類は本人にとってもらった方がよい

1-3.不在者財産管理人選任にかかる費用

収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手代が申し立て費用としてかかります

また、不在者の財産が少ない場合、裁判所から予納金の納付を求められる場合があります。

場合によっては予納金に数十万円〜100万円ほどかかることがあるので準備しておきましょう。

2.不在者財産管理人を選任する時の3つの注意点

ここまで、行方不明の相続人に代わって遺産分割協議に参加することができる、不在者財産管理人を選任する方法について解説してきました。

ここからは、不在者財産管理人を選任する時の3つの注意点を紹介していきます。

2-1.遺産分割が終わっても不在者財産管理人としての役目は続く

不在者財産管理人の役目は、遺産分割が終わったらそれで終わりではありません。

遺産分割後も不在者財産管理人の役目は続きます

不在者財産管理人の役目が終わる条件は次のケースです。

不在者財産管理人の役目が終わる3つのケース

  1. 不在者が現れた、または、死亡が確認されたとき
  2. 不在者の財産が無くなったとき
  3. 不在者について失踪宣告がされたとき

これらのケースが起きるまで不在者財産管理人の役目は続きます。

遺産分割の時だけだと思い込んで不在者財産管理人を引き受けて、後から「聞いてなかった」という話になったら大変です。

不在者財産管理人を頼む側も頼まれる側も、遺産分割後にも役目が続くことをしっかり認識しておきましょう

注意
遺産分割が終わっても不在者財産管理人としての役目は続くことを理解しておく

2-2.法定相続分を下回る遺産相続はできない

不在者財産管理人の本分は、「行方不明者に代わって、その人の財産を維持・管理すること」です。

不在者財産管理人を選任したからといって、行方不明の相続人以外の相続人で遺産を山分毛することはできません

行方不明の相続人にも法定相続分を相続させます。

注意
行方不明の相続人にも法定相続分は相続させる必要がある

2-3.不在者財産管理人が希望すれば報酬が発生する

不在者財産管理人が希望すれば、不在者の財産管理に対する報酬が発生します

弁護士や司法書士などの専門家に依頼すると原則として報酬が発生します。

報酬は、行方不明者の財産から支払われることになります。

しかし、行方不明者の財産が少ない場合、家庭裁判所に納付していた予納金から支払われることになります。

報酬を発生させたくない場合は、無報酬で引き受けてくれる親族に頼むのがよいでしょう

MEMO
無報酬で済ませたければ親族を選任する方がよい

3.まとめ:相続人が行方不明の場合、不在者財産管理人を選任する

相続人の1人が行方不明の場合は、不在者財産管理人を選任する必要があることを紹介しました。

不在者財産管理人を選任する時には次の3点にお気をつけください。

不在者財産管理人選任の注意点3つ

  1. 遺産分割が終わっても不在者財産管理人としての役目は続く
  2. 法定相続分を下回る遺産相続はできない
  3. 不在者財産管理人が希望すれば報酬が発生する

これら3点に気をつけて不在者財産管理人を選任してください。

相続人が行方不明である他、相続に関する問題に直面した場合は、すぐに信頼のできる専門家に相談してください。

4.日本法規情報「相続サポート」プログラム

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