iDeCoと小規模企業共済の違いや併用のメリット、受取時の注意点を解説

ideco 小規模企業共済

人生100年時代を迎えるにあたり、老後に向けた資産づくりがますます重要になっています。

老後のための資産形成を後押ししてくれる制度としてiDeCo小規模企業共済などがあります。

どちらも、掛け金を拠出することで税制面で優遇されながら老後に向けて備えることができる制度です。

小規模企業共済が小規模企業の経営者や役員、個人事業主のための制度であることに対して、 iDeCoは加入要件が緩和されてきていて多くの方が利用できる制度になっています。

この記事では iDeCoと小規模企業共済を比較し、両者の違いを解説します。

またこれらを併用したときのメリットついても解説していきます。

老後に向けて備えよう!

と考えている方のお役に立つことができれば幸いです。

1.iDeCoと小規模企業共済を比較

iDeCo小規模企業共済についてそれぞれの概要を説明した後、両者の違いを比較します。

1-1. iDeCoとは

iDeCoは、毎月一定額の掛け金を拠出して運用することで、税制面での優遇をされながら資産運用ができるという制度です。

節税効果は絶大で、拠出した分だけ所得税や住民税の課税所得から差し引くことができたり、運用中の運用益が非課税になったり、受け取る時にも控除があったり、といった税制優遇があります。

加入要件が緩和されてきていて、会社員や公務員などを含む多くの人が加入可能です。

1-2.小規模企業共済とは

小規模企業共済は、規模が小さい企業の経営者や役員、個人事業主のために作られた、積み立てによる退職金制度です。

iDeCoと同様に、拠出した分だけ課税所得から差し引くことができたり、受け取る時にも控除がうけられるなどの節税効果があります。

1-3. iDeCoと小規模企業共済の違い

iDeCoと小規模企業共済の概要について解説しましたが、ここからはそれぞれの違いについて説明します。

1-3-1.加入資格

まずどのような方が加入できるのかという点で大きく異なります。

iDeCoの場合

iDeCoの場合は20歳以上60歳未満の方なら原則加入することが可能です。

ただし以下のような方は加入資格がないのでご注意ください。

iDeCoに加入できない人
  1. 海外に居住している人
  2. 国民年金保険料を納めていない人
  3. 会社員の一部

海外に住んでいる方は iDeCoに加入することができません。

iDeCoに加入している方が海外に住民票を転出すると新たな積み立てができなくなってしまいます。帰国して再び居住者になれば、積み立てを再開することができます。

国民年金保険料を納めていない人もiDeCoに加入することができません。

未納の人だけでなく、全額または一部を免除されている人も加入不可です。

会社員の方の中でも、企業型確定拠出年金の規約でiDeCoとの併用が認められていない人や、マッチング拠出をしている人は加入することができません。



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小規模企業共済の場合

小規模企業共済の場合は小さな規模の企業の経営者や役員、個人事業主などが加入することができます。

正確な要件は、中小機構のサイトで以下のように記載されています。

小規模企業共済制度には、次のいずれかに該当する場合にご加入いただけます。

建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社等の役員
商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社等の役員
事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員、常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
上記「1」と「2」に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)
引用:中小機構

1-3-2.掛け金の上限や変更

掛け金の上限や、掛け金の変更についての違いを解説します。

iDeCoの場合

iDeCoの場合、掛け金の上限は加入者の属性によって異なります

条件 掛け金の上限
第1号被保険者 月6.8万円
第3号被保険者 月2.3万円
第2号被保険者 企業年金制度がない
企業型確定拠出年金に加入 月2.0万円
確定給付企業年金と企業型確定拠出年金に加入 月1.2万円
確定給付企業年金のみ加入
公務員

掛け金額の変更については最低金額月5,000円から1,000円刻みで上限額まで可能です。



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小規模企業共済の場合

小規模企業共済の場合、掛け金の上限は月7万円となっています。

最低金額月1,000円から500円刻みで上限額まで変更可能です。

1-3-3.手数料

手数料の違いについて解説します。

iDeCoの場合

iDeCoは加入時に2,829円の加入手数料が、加入後は毎月少なくとも171円の手数料がかかります。

加入時の手数料は国民年金基金連合会に支払われるものです。

加入後の171円は、うち105円が掛け金を拠出するたびに国民年金基金連合会に支払われる手数料、残りの66円は信託銀行に支払われる手数料です。

さらに、運営管理機関によっては追加で「運営管理手数料」がかかることがあります。

以下に挙げた運営管理機関は、運営管理手数料が0円の運営管理機関です。

手数料が安い運営管理機関



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小規模企業共済の場合

小規模企業共済の場合はiDeCoでかかるような手数料はありません。

1-3-4.途中解約

途中解約の可否について解説します。

iDeCoの場合

iDeCoの場合、途中解約はできません。

60歳になるまで拠出したお金を引き出すことは不可です。

長期投資が苦手な方にとっては、強制的に長期投資ができるという点で良い制度ですが、急にまとまったお金が必要になったときにiDeCoに積み立てたお金を使うことはできないので注意しましょう。

緊急時用のお金はiDeCoとは別に準備する必要があります。



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小規模企業共済の場合

小規模企業共済の場合は途中で解約することが可能です。

解約の方法については中小機構のサイトに詳しく掲載されています。

1-3-5.元本割れ

元本割れの有無について解説します。

iDeCoの場合

iDeCoは自分で運用指図をしなければいけません。

あくまでも投資なので、元本割れしてしまうこともあります。

逆に運用の仕方によっては大きなリターンも見込めます。

元本割れしてしまったときの考え方や対処法についてはこちらの記事で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。



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小規模企業共済の場合

iDeCoが運用次第で得することもあれば元本割れすることもあるのに対して、小規模企業共済の場合は、掛け金の納付月数と共済事由ごとに、受け取れる金額が規定されています。

詳細な計算方法や金額に関しては中小機構のサイトに掲載されています。

2.iDeCoと小規模企業共済を併用するとより節税できる

iDeCoと小規模企業共済は併用することが可能です

お金に余裕のある方は両方に加入することで節税効果をより大きくすることができます。

なぜなら両方に加入すれば最大で年間165.6万円まで掛け金を出すことが可能だからです。(iDeCoが81.6万円、小規模企業共済が84万円)

仮に課税所得が1,000万円だとした場合、所得税は、

1,000万円 × 33% – 153.6万円 = 176.4万円

ですが、iDeCoと小規模企業共済に加入して年間165.6万円の掛け金を出すと所得税は、

(1,000万円 – 165.6万円) × 23% – 63.6万円 = 128.3万円

となり、所得税だけで48.1万円の節税ができます。

3.iDeCoや小規模企業共済で老後に備えよう

iDeCo小規模企業共済、それぞれの特徴や違いについて解説しました。

どちらも節税しながら老後に備えることができる制度なので、特徴を活かして老後に備えましょう。

併用することも可能なので、お金に余裕がある方が併用してより節税効果を大きくすることができます。

また、併用する場合は受け取る時期によって税金額が変わってくるのでどのような受け取り方でどの時期に受け取れば節税効果が高いのかあらかじめシミュレーションしておくと良いでしょう。