フリーターの方も活用できるiDeCoのメリットや注意点を解説

ideco フリーター

老後に向けた資産づくりを後押しするiDeCo。

法改正の影響もあってか、加入者は年々増えています。

多くの人にとって有効な制度で、フリーターの方にとっても例外ではありません。

この記事では、フリーターの方を対象に、

フリーターがiDeCoを活用するメリットはあるのか

iDeCo加入にあたり気をつけなければいけないことはあるのか

ということについて解説していきます。

老後に向けた準備を始めようとしているフリーターの方のお役に立つことができれば幸いです。

1.フリーターがiDeCoに加入するメリット

iDeCoに加入するメリットとして一般的に最も挙げられるのが「節税効果がある」ということです。

これは、フリーターの方にとっても例外ではありません。

具体的にどのような節税効果があるのか解説していきます。

1-1.運用中の運用益が非課税

iDeCoは、運用中の運用益が非課税という税制優遇があります。

運用益に対して課税されるか課税されないかというのは非常に大きな差です。

というのも、通常の運用の場合、運用益のおよそ20%が課税されます。

長期投資であれば、運用益が発生した場合、そこそこ大きい金額になるでしょうから、その20%が課税されるかどうかというのは大きな違いです。

例えば、仮に、20年間、毎月1万円拠出し続け、年率3%で運用し続けたとしたら、およそ80万円の運用益が生まれます。(*あくまでも例です)

通常の運用であれば、16万円(運用益のおよそ20%)の税金がかかりますが、iDeCoならこれが非課税になるというわけです。

1-2.所得税や住民税の控除

運用益が非課税というメリットなら、iDeCoだけでなくつみたてNISAという制度もありますが、iDeCo特有のメリットとして、拠出した金額に応じて所得税や住民税が控除されるというメリットもあります。

フリーターの平均年収は200万円と言われているので、年収200万円で社会保険に加入していないフリーターを想定して、iDeCoに加入することでどれくらい所得税を控除できるのかシミュレーションしていきましょう。

給与所得控除額が68万円、基礎控除額が48万円なので、iDeCoに加入していない場合、課税所得は84万円となり、税率は5%なので、所得税は4.2万円です。

では、iDeCoに加入して毎月1万円拠出したとしましょう。年間にして12万円の拠出となります。

このとき、課税所得からiDeCoで拠出した12万円を差し引くことができるので、課税所得は72万円となり、所得税は3.6万円です。

iDeCoに加入しない場合に比べて6,000円、所得税が安くなりました。

住民税についても見てみましょう。

自治体によってやや異なりますが、ここでは住民税の税率が10%で、住民税均等割を5,000円として計算することにすると、iDeCoに加入しない場合、住民税は8.9万円です。

iDeCoに加入して毎月1万円(年間12万円)拠出したとすると、課税所得が84万円から72万円になるので、住民税は7.7万円になります。

iDeCoに加入して毎月1万円拠出することで、所得税は6,000円、住民税は1.2万円、合わせて1.8万円安くなるのです。

年間1.8万円ではイマイチ効果が感じられない方もいらっしゃるかと思いますが、iDeCoは基本的に長期投資になるので、30年間加入し続けたら単純計算でトータル54万円の節税になります。

また、毎月1万円拠出するケースを例に挙げましたが、もっと大きい額の拠出をするケースも見てみましょう。

フリーターの拠出限度額は6.8万円(第一号被保険者の場合)となっています。

毎月6.8万円拠出すれば、年間で81.6万円を拠出することになるので、課税所得が2.4万円となり、所得税は1,200円、住民税は7,400円です。

なんと、iDeCoに加入しない場合と比べて、所得税と住民税合わせて12.2万円も安くなりました

すごい節税効果です。

ただし、年収200万円の方が月6.8万円も拠出するというのは、かなり大きな負担になるかと思います。

節税のために生活を苦しくするのは本末転倒なので、ご自身の年収や生活スタイルを考慮して、いくらまでなら無理なく節税しながら老後に向けた投資をできるのか計算してみましょう

計算するのに参考になる国税庁のサイトへのリンクを掲載しておきますので、ぜひ活用してください。

1-3.受け取る際の控除

「運用中の運用益が非課税」「所得税や住民税の控除」といったメリットを見てきましたが、ここで、

そんなに上手い話ばかりなわけがない。老後に受け取る時に税金取られるんでしょ?

と思う方もいらっしゃるでしょう。

確かに、受け取る際に税金がかかるケースもあるのですが、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」が、一時金として一括で受け取る場合は「退職所得控除」が、それぞれ適用されるので、場合によっては非課税ということもあり得ます。

退職金がもらえないというフリーターは一時金として一括で受け取ると良いでしょう。

例えば、仮に勤続年数が30年の場合、退職所得控除額は870万円ですから、勤め先からの退職金がなく、iDeCoの資産合計も870万円を超えない限り、受け取り時の税金はかかりません。

2.iDeCo加入にあたり気をつけなければいけないこと

さて、フリーターの方がiDeCoに加入することで得られるメリットとして「節税効果がある」ということを紹介しましたが、ここからはiDeCo加入にあたって気をつけなければいけないことを解説します。

そんなはずではなかった

ということにならないように、しっかり抑えておきましょう。

2-1.積み立てたお金は60歳になるまで引き出せない

積み立てたお金は原則60歳になるまで引き出すことはできません

これは、iDeCoがあくまでも「老後に向けた」資産準備のための制度だからです。

そのため、若いうちに急にまとまったお金が必要になっても、

そうだ、iDeCoで積み立てたお金を切り崩そう

ということはできないのです。

これは、iDeCoの良さでもあり、魔が差して

欲しいものがあるから、老後のためのお金をちょっと切り崩しちゃおうかな

という考えが湧いてしまうことを防いでくれます。

しかし、人生急に何が起こるかわからないので、iDeCoとは別に緊急用のお金は用意しておく必要があります

つまり、老後になるまで絶対におろせない資産と、緊急時に備えておく資産、それぞれ準備しておくことが大切です。

また、途中で拠出金額を変更することは可能ですが、年に1回までしかできません。

収入が安定しない方の場合は特に注意が必要です。

第一号被保険者の場合は、拠出限度額が6.8万円と大きく設定されていますが、あくまでも生活に支障をきたさないような金額設定にしましょう。

MEMO
  • 60歳になるまで引き出せない
  • 緊急用のお金とは別にする

2-2.元本割れすることもある

もう1つ、iDeCoに加入する前に気をつけておかなければいけないことがあります。

それは、iDeCoに加入したからといって必ずしも利益になるとは限らない、ということです。

iDeCoはあくまでも投資ということを肝に銘じておきましょう
(もし仮に100%儲かる投資があるのなら全員やっています。)

長い運用期間の中で元本割れしてしまうこともあるでしょう。

もし元本割れしてしまった時は「ドルコスト平均法」という考え方を思い出してください。

ドルコスト平均法とは、相場の浮き沈みに関わらず定期的に一定の金額で購入し続けることで、平均購入コストが比較的安くなるという考え方です。

この考え方は、「現在、相場が下がっていても長期的に見れば底をついてから価値が上がる」ということが前提の考え方にはなりますが、だからこそ元本割れしても慌てない心が必要になります。

また、元本割れする可能性を下げる方法として、拠出金額をできるだけ大きくするというものもあります。

一体どういうことでしょうか。

iDeCoでは手数料が少なくとも毎月171円、年間にして2,052円の手数料がかかってしまうのです。

ということは、利回り0%で運用しても元本割れしてしまいます。

仮に、最低拠出限度額である月5,000円の拠出だとしたら、年3.4%以上の利回りで運用しなければ元本割れしてしまいます。

ここで、月1.2万円の拠出をすれば、年1.4%以上の利回りで運用すれば元本割れを回避できるのです。

このように、拠出額をできる限り大きく設定すれば、元本割れの可能性を下げることができます。

ただし、何度も申し上げているように無理は禁物です。

拠出額を無理して大きくしても元本割れする時は元本割れします。

生活が苦しくならない程度の掛け金にしましょう。

MEMO
  • 元本割れすることもある
  • 生活が影響が出ない範囲で掛け金はできるだけ大きく

3.転職しても大丈夫

中には、

現在フリーターだが、将来的には転職して会社員として働くことも考えている

転職しても不利にならないのか

と疑問や不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。

これについては、転職先の会社に企業年金制度があるかどうかを考える必要があります。

3-1.企業年金制度のない会社に転職する場合

転職先に企業年金制度がない場合は、引き続きiDeCoの掛け金積み立てをすることができます。

ただし、手続きとして運営管理機関に「加入者登録事業所変更届」と転職先の「事業主証明書」を提出する必要があります。

また、フリーターから会社員に変わったことで、掛け金の限度額も変わりますので注意しましょう。

企業年金制度がない会社で働く会社員の上限は毎月2.3万円です。

国民年金の被保険者種別、又は登録事業所の変更の手続きが必要です。
第1号加入者又は第3号加入者の方が厚生年金の適用事業所に就職した場合は、国民年金の種別が第1号被保険者又は第3号被保険者から第2号被保険者に変わりますので、「加入者被保険者種別変更届(第2号被保険者用) (K-010B) 」に、就職(転職)先が記入した「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書 (K-101A)」を添付して、運営管理機関にご提出ください。
第2号加入者の方が厚生年金の適用事業所に転職した場合は、「加入者登録事業所変更届 (K-011)」に、転職先が記入した「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書 (K-101A)」を添付して、運営管理機関にご提出ください。
引用:iDeCo公式サイト

3-2.企業年金制度のある会社に転職する場合

企業年金制度のある会社に転職する場合は注意が必要です。

iDeCoへの加入が認められていれば、引き続きiDeCoに加入することも可能ですが、iDeCoへの加入が認められないことがあります。

具体的には、マッチング拠出制度のある企業型確定拠出年金を導入している会社ではiDeCoへの加入は認められません

iDeCoへの加入が認められていない場合は、移換手続きを行って、iDeCoで積み立てた自分の資産を企業型確定拠出年金にまとめましょう

まず、移換前の運営管理機関に対してiDeCoの資格喪失手続きを行います。

そして、移換先の運営管理機関に「運営管理機関変更届」などの書類を提出してください。

iDeCoの資格喪失手続きを忘れると、本来必要のない費用を負担させられてしまうので注意しましょう。

iDeCoの加入資格喪失の手続きが遅れてしまうと、その間もiDeCoに掛け金が拠出されてしまいます。

そして、加入資格がない期間の掛け金は、後に全額払い戻し(還付)されます。

この際、還付手数料として、国民年金基金連合会に1,048円事務委託先金融機関に440円、それぞれ還付される金額から差し引かれる形で支払わなければいけません。

とりわけ大きい金額ではありませんが、手続きを忘れなければ引かれずに済むお金ですので、iDeCoから企業型確定拠出年金へ移換する際は、資格喪失手続きを忘れないように気をつけましょう

移換する場合は、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者の資格を喪失することになりますので、速やかに「加入者資格喪失届 (K-015)」に、加入者の資格を喪失した理由及び喪失年月日を証明する書類を添付して、運営管理機関にご提出ください。 この場合、個人型確定拠出年金の資産を就職(転職)先の企業型確定拠出年金に移すことができます。詳細な手続きは、就職(転職)先の人事・労務等のご担当の方にご確認ください。
引用:iDeCo公式サイト

このように、若干の注意点は申し上げましたが、基本的には転職してもiDeCoで積み立ててきたお金は持ち運ぶか、引き続き拠出を続けることができるので、転職しても不利になりません。

iDeCoと転職に関することは、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。

ぜひ合わせてご覧ください。


iDeCoや企業型確定拠出年金に加入している人が転職する場合

4.企業型確定拠出年金のある会社から転職してフリーターになった方は移換手続きを!

もしこの記事を読んでいらっしゃる方の中に、

「企業型確定拠出年金のある会社から転職してフリーターになった」

という方がいらっしゃったら移換手続きを忘れないようにしましょう

移換手続きを忘れると、とても損をします。

企業型確定拠出年金に加入していた方が、転職・退職等により、加入者の資格を喪失した場合、6ヵ月以内に、個人別管理資産を個人型確定拠出年金(iDeCo)又は他の企業型確定拠出年金に移換、若しくは脱退一時金の要件を満たす場合に請求の手続きを行わなかった場合、その資産は、国民年金基金連合会に自動移換されます。
引用:iDeCo公式サイト

4-1.資産の運用が一切できなくなる

企業型確定拠出年金のある会社を退職してフリーターになると、企業型確定拠出年金の資格がなくなります。

このとき、企業型確定拠出年金の資格喪失の手続きまでは元の会社が行ってくれますが、その後の移換手続きは自分で行わなければいけません。

資格喪失から6か月以内に手続きをしないと「自動移換」されてしまいます。

これが非常に厄介で、自動移換されると、これまで積み立ててきた資産が全て現金化されて、運用が全くできなくなってしまいます

運用ができないだけならまだしも、引き出すことすらできません

4-2.手数料だけ取られる

さらに、運用はできないにも関わらず、手数料は取られます。

現金を引き出すことも運用することもできず、じわりじわりと手数料を取られ続けます。

4-3.老齢給付金の受給開始が遅れる可能性がある

自動移換されている間は老齢給付金を受け取るための加入者期間に算入されないため、受給開始の時期が遅くなってしまう可能性があります。

このように、自動移換は利用者にとっては悪いことばかりです。

ただ、企業型確定拠出年金の資格喪失の手続きまでは元の会社が行ってくれるが故にどうしても忘れてしまいがちになります。

企業型確定拠出年金のある会社から転職してフリーターになった方は十分に気をつけましょう。

自動移換を減らすため、iDeCoに加入すれば自動移換されないようにもなっているので、ぜひiDeCoへの加入も検討しましょう。

自動移換者を減少させる取り組みとして、企業型確定拠出年金の資格喪失後6ヶ月以内に新たにiDeCoの加入者になったことが確認できた方や、自動移換の状態で新たにiDeCoの加入者になったことが確認できた方は、移換の申し出をすることなく、企業型確定拠出年金や特定運営管理機関からiDeCoへの移換処理が行われるようになりました。
引用:iDeCo公式サイト

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注意
  • 企業型確定拠出年金のある会社を退職した人は忘れずに移換手続きを!

5.フリーターにもお得なiDeCo

フリーターの方に向けてiDeCoについて解説しました。

記事の冒頭で申し上げたように、

「フリーターがiDeCoを活用するメリットはあるのか」

「iDeCo加入にあたり気をつけなければいけないことはあるのか」

といった疑問や不安が解消されていれば幸いです。

老後に向けてiDeCoを活用しよう!

という気持ちになった方は運営管理機関(金融機関)に資料請求するところから始めてみましょう。

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