iDeCo(個人型確定拠出年金)で節税になる仕組みをわかりやすく解説!

ideco 節税 仕組み

個人型確定拠出年金「iDeCo」は老後に向けての資産形成を後押ししてくれる制度です。

毎月、一定額の掛け金を拠出して運用していくことで、60歳以上になったときに、積み立ててきたお金を年金として受け取ることができます。

iDeCoの最大のメリットは、節税効果があることです。

iDeCoに加入すると、毎月の拠出額に応じて所得税や住民税が安くなったり、運用期間中のiDeCoによる運用益に対しては非課税になったりするのです。

もしかすると、今、この記事を読んでいるあなたは、このような疑問をお持ちではないですか?

iDeCoの節税効果ってどういう仕組みなの?

どうしてiDeCoに加入すると節税になるの?

一体、どういう仕組みで、どれほどの節税効果があるのでしょうか?

この記事では、iDeCoの節税効果の仕組みについて、わかりやすく解説します

iDeCoの節税効果に対する疑問を解消していただければ幸いです。

1.所得税や住民税が安くなる仕組み

まず、所得税や住民税が安くなる仕組みを解説します。

所得税は、「課税される所得金額」に応じて、「税率」と「控除額」が決められており、そこから所得税の金額が算出されます。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超330万円以下 10% 97,500円
330万円超695万円以下 20% 427,500円
695万円超900万円以下 23% 636,000円
900万円超1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

具体的な例を出して計算すると、例えば、課税される所得金額が400万円の場合、税率は20%で、控除額は427,500円なので、

400万円 × 20% – 427,500円 = 372,500円

という計算により、所得税は372,500円となります。

このようにして算出される所得税ですが、iDeCo加入者は拠出した金額分だけ「課税される所得金額」から差引いて計算することができます。

課税される所得金額が400万円で、毎月の拠出額が5万円(年間の拠出額が60万円)の方の場合、次のような計算になります。

(400万円 – 60万円)× 20% – 427,500円 = 252,500円

所得税は252,500円なので、iDeCoに加入しない場合に比べて12万円も所得税が軽くなりました。

もちろんiDeCoに拠出している分、手元にある現金は少なくなるのですが、将来に向けての投資ができてなおかつ税金も軽くなったと考えるとお得であることがわかるかと思います。

住民税についても同様の仕組みで税金が軽くなります。

課税される所得金額が400万円が、住民税の税率が10%で、住民税均等割を5,000円として計算すると、

iDeCoに加入していない場合は、

400万円 × 10% + 5,000円 = 405,000円

iDeCoに加入して毎月5万円(年間60万円)拠出している場合は、

(400万円 – 60万円)× 10% + 5,000円 = 34,5000円

となり、6万円も住民税が安くなります。

結果として、所得税と住民税を合わせて軽減された税金は18万円分です。

老後に向けた資産形成という観点で、ただ貯金するのと、iDeCoに加入して掛け金として拠出するのでは、同じ60万円であっても、所得税と住民税だけでも18万円の差が生まれるということになります。

これが、老後に向けた資産形成を考える上で「iDeCoを利用しないのはもったいない」と言われる所以です。

もちろん、ご自身の所得や拠出金額などによって、具体的な数字は変わってきますので、同様にして、ご自身の場合はいくら節税が見込めるのか計算してみましょう。

また、iDeCoに拠出するだけの経済的余裕がない(投資をする余裕がない)のに節税のためにiDeCoに拠出するのは本末転倒です。

あくまでも、同じ金額を投資をするなら、iDeCoに加入すると所得税や住民税が控除されるからお得だということです。

iDeCoに加入していない場合

課税所得 所得税額 住民税額 合計納税額
400万円 372,500円 405,000円 777,500円

iDeCoに加入している場合(毎月5万円拠出)

課税所得 所得税額 住民税額 合計納税額
340万円 252,500円 345,000円 597,500円
参考

2.運用期間中の運用益に対して非課税

次に、運用期間中の運用益に対して非課税であることについて触れましょう。

運用益が非課税になる制度としてNISA(少額投資非課税制度)というものがありますが、iDeCoも運用益に対して非課税になります。

NISAと違う点は、NISAの場合、年間120万円までの投資額について最大600万円までの運用元本しか非課税の対象になりませんが、iDeCoの場合、そのような制限はありません。

さて、通常の運用だと、運用益のおよそ20%が課税されてしまいますが、iDeCoに加入すれば非課税なのはすごいメリットです。

仮に、20年間、毎月50,000円を拠出し続け、年率3%で運用し続けたとしたら、441.5万円の運用益が生まれます。(*あくまでも例です)

通常の運用であれば、88.3万円(運用益のおよそ20%)の税金がかかりますが、iDeCoならこれが非課税になるということです。

3.公的年金として受け取る時に課税される

ここまで、iDeCoが節税になる仕組みを解説していきましたが、60歳あるいは65歳を過ぎてから、積み立てたお金を公的年金として受け取る際に、税金がかかるので注意が必要です。

公的年金等の支払を受けるときは、原則として収入金額からその年金に応じて定められている一定の控除額を差し引いた額に5.105%を乗じた金額が源泉徴収されます。
引用:国税庁

控除額がどのようになっているのかは、次の表をご覧ください。

公的年金等に係る雑所得の速算表(平成17年分から令和元年分まで)

年金受給者の年齢 公的年金等の収入金額の合計額 割合 控除額
65歳未満 70万円まで 所得金額はゼロ
70万1円から129万9999円 100% 70万円
130万円から409万9999円 75% 37万5000円
410万円から769万9999円 85% 78万5000円
770万円以上 95% 155万5000円
65歳以上 120万円まで 所得金額はゼロ
120万1円から329万9999円 100% 120万円
330万円から409万9999円 75% 37万5000円
410万円から769万9999円 85% 78万5000円
770万円以上 95% 155万5000円

公的年金等に係る雑所得の速算表(令和2年分以後)

公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下
年金受給者の年齢 公的年金等の収入金額の合計額 割合 控除額
65歳未満 60万円まで 所得金額はゼロ
60万1円から129万9,999円 100% 60万円
130万円から409万9,999円 75% 27万5,000円
410万円から769万9,999円 85% 68万5,000円
770万円から999万9,999円 95% 145万5,000円
1,000万円以上 100% 195万5,000円
65歳以上 110万円まで 所得金額はゼロ
110万1円から329万9,999円 100% 110万円
330万円から409万9,999円 75% 27万5,000円
410万円から769万9,999円 85% 68万5,000円
770万円から999万9,999円 95% 145万5,000円
1,000万円 100% 195万5,000円

 

公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円超2,000万円以下
年金受給者の年齢 公的年金等の収入金額の合計額 割合 控除額
65歳未満 50万円まで 所得金額はゼロ
50万1円から129万9,999円 100% 50万円
130万円から409万9,999円 75% 17万5,000円
410万円から769万9,999円 85% 58万5,000円
770万円から999万9,999円 95% 135万5,000円
1,000万円以上 100% 185万5,000円
65歳以上 100万円まで 所得金額はゼロ
100万1円から329万9,999円 100% 100万円
330万円から409万9,999円 75% 17万5,000円
410万円から769万9,999円 85% 58万5,000円
770万円から999万9,999円 95% 135万5,000円
1,000万円 100% 185万5,000円

 

公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が2,000万円超
年金受給者の年齢 公的年金等の収入金額の合計額 割合 控除額
65歳未満 40万円まで 所得金額はゼロ
40万1円から129万9,999円 100% 40万円
130万円から409万9,999円 75% 7万5,000円
410万円から769万9,999円 85% 48万5,000円
770万円から999万9,999円 95% 125万5,000円
1,000万円以上 100% 175万5,000円
65歳以上 90万円まで 所得金額はゼロ
90万1円から329万9,999円 100% 90万円
330万円から409万9,999円 75% 7万5,000円
410万円から769万9,999円 85% 48万5,000円
770万円から999万9,999円 95% 125万5,000円
1,000万円 100% 175万5,000円

では、具体的な例を用いて計算してみましょう。

ここでは、20年間、毎月5万円(年間60万円)を拠出し続け、年率3%で運用し続け、およそ1600万円があると仮定しましょう。(*あくまでも例です)

これを65歳から20年間かけて受け取るとします。

つまり、年間の受取額は80万円です。

また、公的年金の年間受取額が180万円で、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1000万円以下だとします。

すると、雑所得は260万円(80万円 + 180万円)です。

この場合、110万円が控除されますので、所得税はおよそ年間でおよそ7.6万円になります。((260万円 – 110万円) × 5.105%)

このように、受け取る際には税金が課税されてしまいますが、所得税・住民税が軽くなったり運用期間中の運用益が非課税になったりすることを考えると、お得な制度であることは依然として変わらないでしょう。

参考

4.まとめ:iDeCoの節税の仕組み

iDeCoに加入すると節税効果がある仕組みをわかりやすく解説していきました。

拠出した金額分だけ課税される所得金額から差し引いて所得税や住民税を計算することができるので、所得税や住民税が安くなります。

また、運用期間中の運用益に対して課税されません。

老後に受け取る際に課税されますが、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」が適用されるので、税金の額を抑えることができます。

ただし、ご自身の所得や拠出額、運用状況などによっても変わってきますので、iDeCoに加入すると絶対に得をするというわけではないことにご注意ください。

まずは、ご自身の状況、条件などを元に、この記事で紹介したような方法で計算してみましょう

もしも節税効果が期待できることがわかったなら、iDeCoに加入することをおすすめします。