個人型確定拠出年金「iDeCo」は老後に向けた資産形成を後押しする制度です。
毎月一定額を拠出して運用し、60歳以上になると年金として受け取ることができます。
このiDeCoの魅力的なところは、拠出した金額に応じて、所得税や住民税が軽減されたり、運用期間中の利益に関しては非課税であったりするところです。
老後資産を形成するにあたって、iDeCoに加入しない手はありません。
このiDeCoに加入する際に、決めなければいけないことがいくつかありますが、その中の一つに、どの運営管理機関を選ぶのか、ということがあります。
運営管理機関というのは、確定拠出年金を運営する金融機関のことです。
もしかすると、今、この記事を読んでいるあなたは、
「iDeCoに加入しようと思っているけれど、どの運営管理機関を選んだらいいのかわからない」
「運営管理機関を選ぶときのポイントは何?」
といった疑問をお持ちではないでしょうか?
この記事では、iDeCo加入にあたって、運営管理機関を選ぶときのポイントを解説します。
また、運営管理機関の変更方法や注意点についても解説します。
これからiDeCoに加入しようと考えている方のお役に立てば幸いです。
1.運営管理機関を選ぶときのポイント・おすすめの選び方
それでは、運営管理機関を選ぶときの、おすすめのポイントをご紹介します。
まず、運営管理機関を選ぶ前に、どのような金融商品をどのような配分で運用するのかという方針を決めます。
そして、その方針を元に、投資したい商品を取り扱っている運営管理機関を選びます。
つまり、運営管理機関を選ぶポイントは、先に運用商品を選ぶことです。
運営方針をある程度決めたら、運営管理機関の選択を始めます。
iDeCo公式サイトから全国の運営管理機関を見ることができます。
このとき、自分が購入したい運用商品を取り扱っている運営管理機関の中から、手数料が一番安いものを選択しましょう。
iDeCo新規加入時に支払わなければいけない手数料として、国民年金基金連合会に支払う2,777円の加入時手数料と、運営管理機関が独自に定める手数料があります。
また、運用期間中も月額167円の口座管理手数料(内訳は国民年金基金連合会に103円、信託銀行に64円)と、運営管理機関ごとに定められた手数料がかかります。
そのため、運営管理機関を選ぶ際は、運営管理機関ごとの手数料を比較して、できるだけ手数料が安いところを選ぶと良いでしょう。
加入時の手数料は、かからない場合がほとんどであり、またかかったとしても加入時だけのものであるが、毎月の手数料は、運営管理機関によって0円から数百円の幅があり、継続してかかるので注意が必要です。
後ほど詳しく解説しますが、運営管理機関は後からでも変更することが可能ですが、変更にはデメリットもあるので、加入時にしっかりと選びましょう。
- 先に運営方針を決める
- 欲しい運用商品を取り扱っているところに絞る
- 手数料が安いとこを選択する
2.運営管理機関を変更する方法・注意点
もしかすると、この記事を読んでいる方の中には
「すでにiDeCoに加入しているが、運営管理機関の手数料が高いことに気がついたため他の運営管理機関に変更したい」
と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
そのような方のために、ここでは運営管理機関を変更する方法や、変更にあたっての注意点を解説します。
運営管理機関を変更するためには「移換」という手続きを行う必要があります。
基本的には加入時と同じような手続きです。
移換先の運営管理機関に「運営管理機関変更届」の書類を提出してください。
ここで、移換によって運営管理機関を変更する際の注意点を述べておきます。
まず、移換の場合、資産を一旦全て現金化しなければならないので、運用商品によっては期日前解約手数料といった手数料がかかることがあります。
また、どのタイミングで資産を売却するのかについて細かく指示することはできません。
また、国民年金基金連合会に加入時と同じように2,777円の加入手数料をとられますし、運営管理機関によっては移換で出ていく際の手数料を取られる場合もあります。
さらに、移換の届出をしてからすぐに取引をできるようになるわけではなく、およそ2か月ほどは、再び取引ができるまでの時間がかかります。
そのため、その期間中に発生しうる利益を取りこぼすことにもなります。
このように、運営管理機関を変更するのは、注意しなければならないデメリットがいくつかあるのです。
- 移換には手数料がかかる
- 売却のタイミングを細かく指示できない
- 再び取引できるようになるまで時間がかかる
3.まとめ
iDeCoの運営管理機関を選ぶ際のポイントを解説しました。
運営管理機関は、まず、買いたい運用商品を取り扱っているのかどうか、次に、その中で手数料が安いのはどれか、という順番で決めていきましょう。
また、後から運営管理機関を変更するには手数料がかかったり、空白の期間ができてしまったり、といったデメリットがあるので、最初にしっかりと選びましょう。
これからiDeCoに加入しようと考えている方のお役に立てば幸いです。