「オレが死んだら墓はいらない」って
父がよく言ってる
でも、お墓作らないでどうするんだろう
近年、お墓はいらないという人が増えています。
散骨は、お墓がいらないという人にオススメな供養方法の一つです。
散骨とはひとことで表すと遺骨を粉々に砕いて海や山などに撒くことです。
全ての遺骨を撒いてしまう人もいれば、一部を撒いて、残った遺骨は遺族が管理したりお墓にいれたりする人もいます。
もしかするとこの記事を見ているあなたも、
ご家族の中にお墓はいらない、散骨してほしいと言っている方がいるのかもしれません。
あるいは、ご自身がそうお考えかもしれません。
この記事を最後まで読めば、散骨についてよくわかり、将来、ご家族やご自分のご遺骨を散骨するべきかどうか判断できるでしょう。
1.お墓がいらない理由
それでは、そもそもなぜお墓はいらないと考える人が増えているのでしょうか。
これには大きく二つの理由があります。
- コストがかかる
- 自然に還りたい
お墓というのはコストがかかります。
最初にお墓を設立する費用だけでなく、継承者が遠方に住んでいる場合、お墓を掃除するために交通費や時間をかけなければなりません。
遺された親族に苦労をかけまいという考えからお墓はいらないと言う人が増えているのでしょう。
また、自然に還りたいという自然志向も理由の一つです。
散骨をしたいという人の多くは自然志向が強いそうです。
2.散骨の種類
散骨には大きく分けて3種類あります。
散骨の種類はどこに遺骨を撒くかによって大きく
- 1.海洋散骨
- 2.山岳散骨
- 3.宇宙葬
の3つに大別することができます。
海洋散骨に関しては、散骨の形式によってさらに3つに大別することができます。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
2-1.海洋散骨
海洋散骨は文字通り海に散骨するタイプです。
チャーターを借りて沖合に出て、水に溶ける袋の中に遺骨をいれて、海に流します。
先ほど述べたように海洋散骨には形式によって3つのタイプがあります。
2-1-1.委託散骨
委託散骨は、ご遺族自身が遺骨を流しにいけない場合に、業者に委託して散骨をしてもらう方法です。
散骨証明書や、散骨の写真を送付してくれる場合が多いです。
2-1-2.合同散骨
合同散骨は、複数の遺族と乗り合いでチャーターを借りて散骨する方法です。
日程調整が必要だったり他の家族と乗り合いなので気を遣うこともあるかもしれませんが、その分安くすむことが特徴です。
2-1-3.個別散骨
個別散骨は、遺族や友人のみで貸し切って行う散骨です。
他の家族と乗り合いではないので、故人との別れに集中することができます。
細かいオプションもつけやすいです。
ただしその分、委託散骨や合同散骨と比べると費用がかかります。
2-2.山岳散骨
山岳散骨は、山に遺骨を撒く散骨方法です。
どの山にでも撒いていいというわけではなく、撒いてはいけない場所や許可がいる場所があるので注意しましょう。
また、遺骨を勝手に埋めるという行為は違法です。
2-3.宇宙葬
堀江貴文さんがこんなツイートをして話題になりました。
うちのロケットで宇宙葬やろうかなと思ってるんだけど興味ある人いますかね?1-10gくらいの遺灰を特製カプセルに入れて宇宙に打ち上げます。
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) May 30, 2019
宇宙葬は文字通り宇宙に遺骨を撒くという散骨方法です。
ただし遺灰を全部撒くというわけではなく、宇宙に持っていけるのは数グラム程度の遺灰だけです。
撒いた遺骨はやがて大気圏に突入して燃え尽きます。
遺灰は一部しか撒くことができないので、宇宙葬さえしておけばお墓がいらないということにはなりません。
しかし、生前、宇宙にいきたいという願望を強く持っていた人にはオススメです。
父は釣りが好きだから
海洋散骨が良いって言ってた
さて、散骨の種類について見ていきました。
それぞれの特徴や亡くなった方の生前の意思を元に、散骨方法を選びましょう。
もしかすると、遺骨の粉末化だけ依頼して、個人で撒いてしまおう、という人もいるかもしれません。その場合は特に、これから述べる注意点に目を通しておきましょう。
3.散骨の法律
実は、散骨に関する規定というのは法令で定まっていません。
法務省の見解(非公式)としては、「散骨は節度をもって行われる限り違法性はない」とされています。
節度をもってと言われても、
散骨なんてしたことないし
どの程度が節度をもった散骨なのか
わからないよ
「節度をもった散骨」を行うためにはどんな点に注意すれば良いのでしょうか。
代表的なのは次の3点です。
- 1.遺骨を細かく砕く(2mm以下)
- 2.他人の所有地で散骨しない
- 3.水源や漁場などで散骨しない
まず、散骨する遺骨は、それが遺骨だとわからない程度に細かく砕いて粉状にしましょう。
もし、遺骨とわかるような状態で散骨してしまった場合、死体遺棄の罪に問われていしまうことがあります。
そして、当たり前のように思われますが、他人の所有地で無断で散骨しないようにしましょう。
仮にその土地が亡くなった方のゆかりの土地であったり思い入れのある土地であったとしても、その土地の所有者に許可を得てから散骨するようにしましょう。
また、水源や漁場などで散骨しないようにしましょう。
その場所で散骨してしまった場合、風評被害で迷惑をかけてしまうかもしれません。
一般的に考えて、水道水が散骨している場所から流れてきたものである、散骨している場所で釣った魚を食べている、などと考えたくはないですよね。
そういった視点で、そこが散骨して良い場所なのかどうか、よく考える必要があります。
個人で撒きたいという強い理由がない限り、業者に依頼して散骨を行うのをオススメします。
4.散骨を検討している方へ
散骨にも色々な種類があって
気をつけなければいけない点もあるんだね
散骨は、お墓がいらないと考えている人や、自然に還りたいという人にオススメの葬送方法です。
一方で、法律的に未整備な部分が多くあり、ケースバイケースで気をつけなければいけないこともあります。
散骨について検討している人は、ぜひ一度、業者に相談してみましょう。