損をしない終身保険の選び方とは?終身保険の特徴から見た選ぶポイントを解説
保険に入るなら、保障期間が一生涯続く「終身保険」を考える人も多いと考えられます。
しかし、終身保険は保障期間が一生涯と非常に長い期間の保障をするものですので、どの終身保険を選ぶかということは非常に重要なポイントになります。
今回は、一生涯の保障をすることが出来る終身保険の選び方について詳しく解説していきます。
もくじ
1.終身保険の特徴
終身保険は保障期間が一生涯であることからわかるように、契約期間が長期間にわたるため、特徴をしっかりと把握した上で契約をすることが望まれます。
終身保険の特徴としては以下のようなものがあげられます。
1-1.保障期間が一生涯である
終身保険はその名の通り「保障期間が一生涯」であることが大きな特徴です。
そのため、契約してから死亡するまでの期間が終身保険の保障期間となりますが、途中でやめることはできます。
1-2.保険料は契約時から更新されない
終身保険は、保障期間が一生涯となるため、定期保険のように、期間満了による更新によって、保険料が高くなることはありません。
契約した時点の保険料が一生涯続く(短期払いの場合は、その払込期限まで)ことになります。
1-3.保険料の払込期間を選択できる
終身保険の保険料の払込期間は、大きく2通りに分かれますが、どちらの方法にしても保障内容は一生涯続くものとなります。
支払保険料の総額は契約時の年齢や払込期間にもよりますが、基本的にどちらを選択しても同じくらいになります。
1-3-1.終身払い
保険料を一生涯払い続けるタイプのもので、医療保険の終身タイプのものなどで適用されていることが多いものとなります。
終身払い制度の保険料の払い込みタイプは医療保険(終身タイプ)などに多いです。
1-3-2.短期払い
保険料の支払期間が一定期間までとする「期間タイプ」と特定の年齢に到達するまでとする「年齢タイプ」とに分かれますが、共通している点としては、保険料の払込期間が限定されているが、保障は一生涯であるということです。
期間タイプ
期間タイプは、保険料の払込期間を10年・20年・30年と言ったように、保険料の支払期間を一定の期間までとするように設定するものです。
定期保険や養老保険などは、基本的に期間タイプのものが多いです。
年齢タイプ
年齢タイプは、保険料の払込期間を60歳までや65歳までといったように、その人の年齢を期限として設定する方法です。
終身保険は契約者のライフプランなどを考慮したうえで設計されているプランであることが多いため、こちらのタイプを適用することが多いです。
1-4.解約返戻金がある
終身保険の最大の特徴の一つとして、解約返戻金があるということが言えます。
契約の途中であっても、解約返戻金という形で、多少のお金は返ってくるということですので、掛け捨てにはなりません。
2.終身保険の仕組み (4つの基本型)
終身保険は死亡したときや重度の障害状態になったときに保険金を受け取ることが出来るだけでなく、途中で解約した場合であっても、解約返戻金という形でお金を受け取ることが出来る、保障と貯蓄を両方兼ね備えている保険です。
終身保険は大きく4つの種類に分かれており、それぞれの基本型をしっかりと理解することが、終身保険を選ぶ際に損をしないようにするための第一歩です。
2-1.低解約返戻金型終身保険
低解約返戻金型終身保険は、解約返戻金の額が従来の終身保険よりも低く抑えられているタイプの終身保険で、現在ある終身保険の中では、もっとも種類が多いタイプの終身保険です。
- 保険料を安く抑えることができ、一生涯の保障を受けることが出来る
- 解約返戻金は、短期払にすると、保険料払い込み済み後の期間に、保険料総額以上の解約返戻金を受け取ることが出来る
2-2.積立利率変動型終身保険
保険会社は、将来的に発生する保険金や解約返戻金の支払いに備えて、積立金を積み立てており、その積立金の運用利率のことを積立利率と呼んでいます。
この積立利率に応じて、解約返戻金や保険金額が変動する終身保険のことを言います。
- 景気動向の変化に強いため、インフレやデフレの影響を受けにくい
- 死亡保障の最低保証がある
2-3.変額保険(終身型)
変額保険は、契約した保険会社の運用実績に応じて、解約返戻金の額が変動する終身保険です。
運用の実績に応じて、解約返戻金の金額が変動しますが、死亡保障については最低保証がされています。
- 資産運用などを行うため、解約返戻金の金額が変動する
- 死亡保障の最低保証はある
2-4.外貨建て終身保険
終身保険の運用を外貨建てで行うものです。
つまり、保険会社の資産運用先がアメリカなどの海外の金融商品となっているため、国内に比べると運用による利回りが高いことも特徴的な終身保険です。
- 外貨で運用を行っているので、リターンが大きくなる可能性が高い
- 為替リスクが伴うため、解約返戻金が少なくなることもある
3.終身保険を選ぶポイント
終身保険を選ぶうえで、押さえておきたいポイントとして「貯蓄性」と「保障期間」があります。
どちらも終身保険の大きな特徴といえる部分ですが、活用をしていくうえでどちらを重視するかによって、選択のポイントが変わります。
3-1.貯蓄性
終身保険の特徴として「貯蓄性」があげられます。
これは、保険に加入しているが、貯蓄を行うことが出来るというもので、普通に銀行などに預けるよりも、高い運用利率が期待できます。
近年、銀行の金利が0.001%のまま固定されている状況であることを考えると、1%くらいの利率で運用されている終身保険は貯蓄性が高く魅力的に見えます。
その上で、短期払いにするか?終身払にするか?といったことなどを考慮したうえで終身保険を選択することが望ましいです。
3-2.保障期間
保障期間が一生涯であることは、すでにお話した通りですが、終身保険には、特約を付けることで保障内容をより手厚くすることが出来ます。
一生涯保障される状況であるが、どの部分の期間の保障を手厚くする必要があるか?(例えば、小さい子供がいる世帯であれば、子供の成長に合わせて特約を付加するといったこと)について、ライフイベントを考慮したうえで選択することが大切です。
4.まとめ
終身保険は一生涯保障と非常に長い保障期間となっているため、契約時点でどのような契約内容にするかをしっかりと考えることが、損をしないための重要なポイントです。
また、ライフイベントの変化によって、随時保障内容を見直す必要があるため、契約したからといって、保障内容などを契約時のままにするということは避けるようにしてください。
これが最も大きな損失を生む要因になりえます。
終身保険は単に生命保険としての保障内容が一生続くものとしてだけでなく、貯蓄性の高さを活用して老後資金対策などに活用する人も増えています。
実際に、投資などだけで資産運用をするのではなく、万一に備えるために、変額保険(終身型)や積立利率変動型終身保険などに加入することで、死亡したときの保障についても備えることを考えることも一つの選択肢として考えられています。
近年では、保険業界における規制の強化などにより、貯蓄性や節税効果が以前ほど期待できなくなってきましたが、それを差し引いても十分に資産運用の方法の一つとして活用することは可能です。