【FPが解説】老後に向けた投資でよくある失敗と失敗しないためには

老後投資失敗

老後に向けて投資を始めようとする初心者の方に、よく見られる失敗例をお伝えいたします。

老後のお金の不安はつきものです。何か資産運用をしないといけないと焦ってしまうと、結果的に失敗してしまうことがよくあります。

過去の失敗から学ぶことは大切です。どういったリスクがあるのか、失敗しないためにはどのように投資をしたらいいのか、その考え方を紹介します。

1.老後に向けた投資でよくある失敗

今回は数ある失敗の中から、比較的身近な株式、投資信託、個人年金保険について見ていきます。

1-1.株式での失敗

株式投資は値上がりを期待できる投資方法ですが、リスクもあることを忘れてはいけません。

株式投資でよくある失敗の例は以下のようなものがあります。

1-1-1.大企業、有名企業への投資

大企業、有名企業の株式ならば大丈夫だろうと思って、何も考えずに株式を購入して失敗することがあります。

変化や競争が激しい現代では、大企業でも、いつ業績が悪くなるか分かりません。

なぜその銘柄を購入するのか。

その根拠がなく、なんとなく投資をすることは失敗に繋がります。

1-1-2.損切りができない

損切り(損失の確定)ができずに含み損を抱え続ける、ということもあります。

購入した株価が下がったときに、いつか上がるだろうと、そのままにしておき、含み損が大きくなっていくことがあります。

また、株価が下がったところで、同じ銘柄を追加で購入して、更に下がってしまうということもあります。

自分の中でどれくらい株価が落ちてしまったら売却するのか、というルールを決めておかないことで陥ってしまう失敗です。

1-1-3.ニュースに飛びついてしまう

テレビやインターネットのニュースを見て、株式を購入して失敗するケースもあります。

業績が好調、新しいサービス・商品を発表というニュースを見て、その会社の株式を購入することがあります。

しかし、ニュースにはタイムラグがあります。

既に株価が上がり切ってしまったタイミングであることが多いです。

そんなときに株式を購入すると、直後に株価が急に下がって、損をしてしまうことがあります。

株式投資での失敗例
  • 何も考えずに有名企業への投資
  • 損切りのルールを決めていない
  • ニュースに飛びついてしまう

1-2.投資信託での失敗

投資のプロが商品を運用してくれることで、初心者にもお勧めできる投資信託。

しかし、この商品でも失敗をする方が多くいます。

少し分かりにくいからこそ、最低限の知識を持っておかないと、大きな損失になってしまうことがあります。

1-2-1.分配金で運用資金を減らす

よく耳にするのが分配金がある投資信託についてです。

投資信託の中には運用した利益から分配金を受け取ることができる商品があります。

分配金が定期的に入ってくるので、儲かっている気持ちになってしまいます。

しかし、中には分配金といっても、投資した運用資金から取り崩して、支払われているものもあります。

つまり、分配金を受けることによって、その商品全体の運用資金が減ってしまい、基準の価格も下がってしまいます。

また、分配金を受け取る際に税金もかかります。

1-2-2.手数料を考えていない

投資信託には基本的に3種類の手数料がかかります。

購入するときの購入時手数料。投資信託を保有している間にかかる運用管理費用(信託報酬)。

投資信託を売却する際に発生する信託財産留保額が主なものです。

これらの手数料は運用の成果にも直接影響をしてきます。

しかし、よく確認せずに購入してしまう人がたくさんいます。

特に信託報酬は、投資信託を保有している間は継続してかかる費用なので、しっかりと確認しておきましょう。

投資信託での失敗例
  • 分配金で運用資金を減らす
  • 手数料を考えていない

1-3.個人年金保険での失敗例

個人年金保険は一定の年齢に達すると、年金を受け取ることができる保険商品です。

現在は低金利時代で、定期預金よりも利率が高いからと、安易に個人年金保険に入る方がいます。

しかし個人年金保険にも落とし穴があることを理解しておきましょう。

1-3-1.途中解約で損をする

個人年金保険を途中で解約すると、それまで支払った元本よりも低い金額しか返ってきません。

解約手数料がかかるからです。

まとまった資金が必要になったり、他の運用商品に切り替えようと思って解約すると、思わぬ損をすることになります。

50代からでも10年もしくはそれ以上加入することが多い個人年金保険。

その期間は資産が縛られてしまうことになります。

また50代で個人年金保険に入る場合、比較的大きな金額をかける場合が多く、解約手数料も大きくなることに注意が必要です。

1-3-2.インフレで損をする

定額型の個人年金保険はインフレのリスクもあります。

定額型とは契約したときの利回りが固定される保険商品です。

一方で基本的に物価は長期的に上がり続けます。

仮に今日1万円で買えたものが、数年後には1万1,000円になるとしましょう。

そのとき、今ある1万円を、物価の上昇率以上の利回りで運用していないと、そのものは買えなくなります。

実質的な元本割れです。

定額型の個人年金保険は利回りが固定されるので、物価の上昇に対応できない場合があります。

個人年金保険での失敗例
  • 途中解約で損をする
  • インフレで損をする

2.初心者が失敗しないためにこころがけること

投資の初心者が失敗しないために心がけたいこと、大切だと思う姿勢をお伝えします。

2-1.特定商品を勧めてくる人を過信しないこと

特に初心者の場合、知識がある人の意見はとても参考になり、言われたままに運用をすれば、成功をすると思い込んでしまいがちです。

しかし、相手も利益を出すために、仕事として商品を勧めてきているということを忘れてはいけません。

損失が出たときに、それを取り戻すために、更に別の商品を勧められることがあります。

証券会社や銀行などは、商品の売買によって発生する手数料が大きな収入源になっています。

そのため、より多くの回数、売買を繰り返すことを勧めてきます。

近年、インターネット系の証券会社では、株式の売買手数料が無料になる流れにありますので、検討してもよいでしょう。

また、日頃から信頼できる相談相手を見つけることも大切です。

仮に損失が出てしまったときに、被害を最小限に抑えてくれる第三者のアドバイスはとても貴重です。

2-2.投資の理由、目標を明確にする

あなたはなぜ、投資を始めようとしているのでしょうか。

老後への不安のために、と漠然と投資を始めようとしていませんか。

投資を始めようとされている方には、現時点で既にある程度の余裕資産がある方も多いでしょう。

仮に資産運用に成功して、お金を殖やすことに成功しても、不安が完全になくなることはありません。

運用によってどれくらい利益を得たいのか。

できるだけ正確に見積もると、そこまでリスクを取る必要がないことがわかることもあります。

2-3.現金ポジションを持つこと

何かに投資をしないと乗り遅れてしまう、と闇雲に投資をしないことも大切です。

投資をすれば、その分、手持ちの現金の比率は低くなります。

株価などが下がって投資をしたいタイミングで買うためには、現金を持っておく必要があります。

安いときに買って、高いときに売って、現金を保持して、また安くなるのを待つ。

周りに惑わされず、一定の現金を手元に置いておくだけでも、心に余裕が生まれます。

初心者が失敗しないためにこころがけること
  • 特定商品を勧めている人を過信しない
  • 投資の理由・目標を明確にする
  • 現金ポジションを持つ

3.自分の理解できるものにしか投資をしないこと

老後に向けた資産運用について、よくある失敗例を見てきました。

儲かっていそうなイメージだから、知人が成功したから、という理由で投資を始めると、まず成功はしません。

世界一の投資家と言われているウォーレン・バフェット氏の投資への基準は明快です。彼は事業の内容が理解できる企業にしか投資をしないことを徹底して、成功を収めました。自分の頭で理解し、納得した企業や商品に投資をする姿勢が大切です。

今はインターネットで、個人の方でもとても参考になる記事を提供してくれます。色々な方の意見や体験から学ぶこと、すべての投資をする方に大切な姿勢だと考えています。