【FPが解説】老後夫婦で暮らすためにはいくら必要?老後資産の作り方も解説

老後資金夫婦

夫婦で老後暮らしていくにはいくら必要?

老後生活にはどのくらいのお金が必要なの?気になっている方も少なくありません。

老後にどんな人生を歩みたいか?を決定づける意味でも老後資金は重要です。

今回はそのために必要な老後資金の考え方について解説します。

合わせてその老後資金の準備方法についてもお伝えしていきます。

1.老後夫婦で生活していくのにいくら必要なのか?

老後に向けて準備すべき資金は以下の考え方で算出します。

必要な老後資金の算出方法
「老後生活に必要な生活費(=支出)」-「老後に受け取れる年金など(=収入)」

1-1.必要な生活費

まずは「老後生活に必要な資金(=支出)」について見ていきましょう。

ここでは総務省の「家計調査報告」(2018年度)を用いて解説します。

1-1-1.老後夫婦の生活費は約26万円

平均的な高齢者無職世帯の1か月の生活費は約26万円といわれています。

ただこの予算はあくまでも平均値であり、注意すべき点があります。

1-1-2.住居の費用は別に必要

ここで注意したいのは、この予算には「住居費」はほぼ含まれていません。

つまり持家でない世帯は、住居費として毎月26万円に家賃の負担が加わることになります。

1-1-3.病気や介護のリスクが高まる

また、もし病気で介護が必要な状態になった場合、介護費用の負担が増えます。

介護費用は平均で1人あたり約500万円といわれ、高額な負担です。

1-2.受け取れる年金額

続いて「老後に受け取れる年金など(=収入)」について見ていきましょう。

これは年金などの社会保険給付や、不動産収入などの事業収入などを表します。

1-2-1.老後夫婦の収入は約21万円

平均的な高齢者世帯の1か月あたりの平均収入は約21万円です。

ただこれもあくまでも平均値であり、加入していた年金種別によりその金額も異なります。

1-2-2.会社員の方の年金額

厚生年金に加入する会社員の方の年金額は1か月あたり約21万円です。

金額については、加入期間や在職中の平均収入によって個人差があります。

1-2-3.自営業の方の年金額

国民年金に加入する自営業の方の年金額は1か月あたり約13万円です。

基礎年金の受給額は満額で1人78万円ですが、保険料の納付期間によって個人差が出ます。

1-3.必要な貯蓄額

最後に、「老後生活に必要な貯蓄額」について見ていきましょう。

老後期間については、年金受給開始の65歳から90歳までの25年間で仮定します。

1-3-1.平均的な必要貯蓄額は1500万円

老後に必要な生活費は約26万円、年金などで賄える収入は約21万円です。

その差額の約5万円が不足金額であり、年間で約60万円、25年で約1500万円という計算になります。

よって老後の生活費として、少なくとも約1500万円の貯蓄準備が必要ということになります。

1-3-2.会社員と自営業者の違い

会社員は年金収入が約21万円あるため、収支差額は5万円、必要資金は1500万円です。

それに対して自営業者は、年金収入が13万円と低いため、収支差額は13万円です。

25年間の必要資金としては、13万円×25年間で3900万円となります。

自営業者は退職金もなく、会社員と比較しても十分な老後資金準備が必要です。

1-3-3.その他必要な老後資金

老後生活においては、生活費以外にも必要な支出があります。

65歳以降にも住宅ローン債務が残る方は、その債務支払いや修繕費があります。

また賃貸に住んでいる方は、賃料の負担が続きます。

老後を楽しむための余暇活動資金、また子供や孫に対する援助資金も欲しいです。

介護が必要な状態になった時のための予算や、自分の葬儀費用なども考慮すべきです。

これらの支出も考慮すると、生活費以外にも約1000万円は準備しておく必要があります。

2.老後資金の準備の仕方

会社員の夫婦世帯で約2500万円、自営業で約5000万円の資金を自力で準備しなけ
ばなりません。

かなり高い目標ですが、穏やかで生き生きとした老後のためにも必要な資金です。

続いて老後資金の有効な貯蓄方法についてご紹介します。

2-1.支出を見直す

どんなに貯蓄したいと考えていても、原資が無ければ始まりません。

毎月かかっている固定費を少しずつ節約することから始めましょう。無理なく継続することが大切です。

2-1-1.通信費の見直し

毎月の携帯電話料金やインターネット代金は、固定費の見直しの第一歩です。

通話や回線の質を落とすことなく、料金を大幅に下げることは可能です。

2-1-2.保険の見直し

加入している生命保険や損害保険も、固定費見直しの有効策です。

過去に加入した保険であれば、現在の生活環境に置き換えた保障へ再検討しましょう。

2-1-3.買い物方法の見直し

買い物を現金払いにしている方であれば、キャッシュレス決済を活用しましょう。

毎日のお買い物にポイントが貯まり、貯まったポイントは再び買い物に使えます。結果として生活費の節約に繋がります。

2-2.預金から投資へ

固定費の見直しで生み出した貯蓄原資で、預金ではなく投資にシフトしましょう。

自分に合った投資商品で、金利を活用してお金に仕事をさせることが大切です。

2-2-1.債券

債券とは国や地方公共団体、企業が資金調達のために発行する有価証券です。

満期が設定されており、満期が来ると発行元は購入者に対し元本と利子を払います。

リスクは比較的低く、投資初心者にはおすすめです。

2-2-2.株式

株式は企業(株式会社)が資金調達のために発行する有価証券です。

会社の利益の分配を受けられるほか、値上がり益や株主優待などを受けられます。

ハイリスク・ハイリターンな投資であり、予算に余裕がある方や投資経験者におすすめです。

2-2-3.投資信託

投資の専門家が資金を集めて、株式や債券・不動産などに分散投資する方法です。

自分の意向に合わせて組み合わせ(ファンド)を選択し、運用はプロに任せます。

元本保証はありませんが、投資初心者でも高いリターンを得ることも出来ます。

2-3.節税効果を活用する

毎月の給与に掛かる税金と同様に、投資によって得られた収益にも税金が掛かります。

ただ、こうした投資収益に掛かる税金の負担を軽減できる制度があります。

同じ投資収益を得るなら、節税効果のある制度を有効に活用しましょう。

2-3-1.iDeCo

iDeCoとは「個人型確定拠出年金制度」の愛称です。

毎月一定額を定期預金や保険、投資信託などの商品に積立投資する仕組みです。

「掛金が全額所得控除」「運用益には税金が掛からない」「受け取り時は一定額まで非課税」といったメリットがあります。

2-3-2.つみたてNISA

NISAとは「少額投資非課税制度」の愛称です。

株式や投資信託などの収益から一定期間は税金が引かれず、収益の全額が受け取れる制度です。

年間の上限金額は40万円ですが、20年間の投資で合計800万円の投資枠が非課税になります。

2-3-3.小規模企業共済制度

自営業の方にお勧めなのがこの小規模企業共済です。

これは自営業者が毎月の積み立てによって自分の退職金を準備する制度です。

毎月の掛金は全額所得控除の対象(月7万円が上限)で、高い節税効果が見込めます。

3.老後資金準備で気を付けたいこと

老後に向けて準備すべき金額と、その貯蓄方法について解説しました。

最期に、老後資金を準備するにあたって気を付けて頂きたいことをお伝えします。

3-1.積立投資と借入返済は金利で判断

住宅ローンや教育ローンが残っている方は、金利をよく確認しましょう。

昨今の低金利の市場においては繰り上げ返済で利息を軽減する以上に、投資による金利効果を得られる可能性があります。

逆をいえば、せっかく積立を開始しても、高い金利を払って返済をしていては意味がありません。

3-2.投資は無理なく継続することが大事

焦って無理な金額で積立を行うと、途中で断念しなければならない可能性があります。

無理のない程度に、出来るだけ長く続けることが投資効果を生み出すポイントです。

3-3.仕組みの分からない商品には投資しない

自分自身が仕組みを十分に理解していない商品には投資してはいけません。

投資は自己責任、勧められるがままに購入し、大切な老後資金が減ってしまえば本末転倒です。

4.まとめ

50代の方でも、これから20年以上の投資期間を持つことは可能です。

悩んでいても何も変わりませんし、後回しにしても貴重な時間は刻々と過ぎていきます。

今すぐにでもご自身の老後をイメージし、必要な資金目標を明確化することが大切です。

自分が納得できる確実な手段を使って、老後資金をしっかり増やしていきましょう。