家族が死亡したときの健康保険の資格喪失手続きのやり方

健康保険の資格喪失手続きについて知りたい

家族が亡くなった時はさまざまな手続きが発生します。
その中でも特に重要な手続きの一つが「健康保険の資格喪失手続き」です。

「何をすればいいのか」
「いつまでにやればいいのか」
「残った家族が入っている保険は変わるのか」

などの疑問を持つ人が多いでしょう。
ここでは、これらの疑問への答えも含めて、健康保険の種類ごとの資格喪失手続きについて解説します。

亡くなったご家族の保険関連の手続きで悩んでいる方には、きっと参考にしていただけるでしょう。

1.国民健康保険に加入していた場合

故人が「職場の保険」に入っていなかった場合、この「国保」に入っています。

ここでは、その場合の手続きを解説します。

1-1.「国民健康保険資格喪失届」を提出する

これは自治体ごとに用意している書類です。

たとえば、東京都足立区では下のようなPDFをダウンロードできます。

これを印刷して記入し、窓口に直接持ち込むか郵送します。

1-2.「喪失届」の書類がない自治体もある

自治体によっては、喪失届の書類のルールが明記されていないことがあります。

この場合、多くは「窓口で簡単な書類を書く」ことになるでしょう。

詳細は事前にそれぞれの自治体に問い合わせてください。

東京都立川市の場合「保険証を持って窓口に行く」ことだけが書かれています)

1-3.「保険証の返却」はどの自治体でも必要

上の段落の立川市もそうですが「保険証の返却」だけはどの自治体でも必要と書かれています。

窓口への持参はもちろん、郵送でも可能です。

郵送でも対応してもらえることは、下の横浜市のページでわかります。

参考

1-4.保険証がない(紛失している)場合

この場合は、役所で「理由書」を提出します。

理由書は、ほとんどのケースで「自分で作成」します。

様式は決まっていないため、ワードなどで自由に作成します。

たとえば下記は京都府の「遅延理由書」ですが、「様式は自由です」と書かれています。

遅延を紛失に置き換えるだけなので、こちらを参考に作成するといいでしょう。

1-5.死亡の翌日から14日以内に届け出る

届出の期限は、死亡日の翌日から14日以内です。

これは「営業日」に関係なく「普通の14日」であるため、注意してください。

役所は当然土日に閉まっているため、どんなケースでも10日程度しか窓口に行くチャンスがないということになります。

1-6.14日より遅れると罰金(過料)がかかる?

これは、かかる場合もあります。

福岡県田川郡川崎町では「やめる届出が遅れた場合、過料が発生することがある」と書かれています。

また、過料がかからなかった場合も「余分なお金」がかかります。

保険に加入している以上「毎月の保険料」の支払いが必要なためです。

遅れた月数分「余計に払う」ことになるため、やはり手続きは14日以内にするべきです。

2.後期高齢者医療制度に加入していた場合

ご家族の年齢によっては「後期高齢者医療制度」に加入しています。

この場合の手続きを説明します。

2-1.親が75歳以上なら加入している

後期高齢者医療制度は、親御さんが「75歳以上」なら加入しているものです。

そのため、親御さんがこの年齢の場合は、こちらの手続きになります。

2-2.「後期高齢者医療・被保険者資格喪失届」を提出

長い名前ですが、要は「喪失届」です。

これは、自治体や保険の連合によっては、ホームページでPDFなどをアップしています。

後期高齢者医療障害認定申請書及び資格取得(変更・喪失)届書」(・串間県後期高齢者利用広域連)

この場合は、事前に自分でダウンロードして記入してから、手続きに行ってもいいでしょう。

しかし、基本はそれぞれの自治体の窓口に備え付けてあります。
(上の広域連合のページにもその旨が書かれています)

そのため「当日その場で書いてもいい」なら、特に事前準備は必要ありません。

「保険証を持って役所に行く」だけでOKです。

2-3.国保と同じく「保険証を返却」する

保険証の返却は、国保と同じく必要です。

喪失届について明記していない自治体でも、保険証の返却については明記しています。

参考

2-4.返却期限は14日以内

返却(届出)の手続きも、国保と同じく14日以内です。

過料などのルールについても、国保と共通します。

3.国民健康保険以外の健康保険に加入していた場合

「国保でも後期高齢者でもない」という場合、職場の保険に加入していることがほとんどです。

ここでは、その場合に「どんな保険の種類があるのか」と「種類ごとの手続き」の説明をしていきます。

3-1.協会けんぽ(全国健康保険協会)の場合

まず、保険証を事業主(主に会社)に返還します。

その会社から、協会けんぽに対して保険証を返還します。

つまり、国保と違って「自分が直接返還する」ことはありません。

会社は、喪失の届出のみ「5日以内」にする必要があります。

通常は死亡の翌日には会社に連絡するはずなので、この点は問題ないでしょう。

問題は、家族が「故人の扶養」に入っていた場合です。

その場合、本人が死亡してしまったわけなので、保険からも脱退します。

脱退した後の保険については、

・自分で国民健康保険に加入する
・仕事をしているなら、そちらの保険に加入する(条件を満たしていれば)

という2通りの選択肢になります。

日本は「国民皆保険制度」をとっているため「入らない」という選択肢はありません。

3-2.組合健保(組合管掌健康保険)の場合

これは主に「大企業の社員さん」が入っているものです。

上の段落の「協会けんぽ」は、中小企業の社員さんがメインとなります。

基本的な手続きは、協会けんぽと同じで「5日以内に保険証を返却」します。

3-3.共済組合(国家公務員・地方公務員・警察など)

共済組合は、組合健保とは別のカテゴリになります。

カテゴリは別ですが、手続きの内容は変わりません。

・勤務先に連絡し、言われた手続きを行う
・保険証を返納する

という内容です。

下の公立学校共済組合の場合、期限は特に書かれていませんが、おおむね5日以内が目安になるでしょう。

参考

3-4.「職場の保険」の場合、埋葬料5万円が支給される

ここまで書いた協会けんぽ・組合健保などの「職場の保険」は、埋葬料も支給されます。

金額は5万円で、これは「法定給付」です。

つまり、法律で決まっているので「ほぼ必ず支給される」ものです。

給付のためには申請書の提出や、その他の手続きが必要になります。

手続きの内容はそれぞれの保険で異なるので、公式サイトを確認してください。

3-5.死亡した家族が保険に加入していなかった場合

日本は「国民皆保険」のルールですが、稀に「加入していない」人がいます。

・会社を辞めて、職場の保険を抜けた
・その後、国民健康保険などに加入しなかった

このようなケースの場合「国も自治体も気づかない」のです。

この場合、本人が生きていれば「10万円以下の過料」が課されることがあります。

また、悪質なケースでは「徴収を免れた金額の5倍以下の過料」となることもあります。

ただ、本人が亡くなっている場合については事例も少ないため、どのようになるかは不明といえます。

どうなるにしても、自治体への相談はしておくべきでしょう。

4.まとめ

健康保険の手続きは14日以内という期限があり、遅れると過料が発生することもあります。

また、過料はなくても「余分な保険料」の支払いが生じてしまうこともあるものです。

このような事態を招かないよう、ここで解説した内容を参考にして、早めに手続きを行うようにしてください。