相続放棄は生前できない!代わりにできる生前の対策方法を解説

相続放棄

親の借金がたくさんあるので親が亡くなる前に相続放棄したい

親に多額の借金があり、親の死後、自分が借金を相続することが目に見えている

被相続人に借金があったり相続したくない遺産があったりしても、相続放棄をすることで相続する権利を放棄することができます。

しかし被相続人の生前に相続放棄することはできません。

「親に多額の借金があるとわかっていて親の生前に何か手を打っておきたい」
「親の借金を絶対に引き継ぎたくない」
という方に向けて、生前にできる対処方法や相続放棄の手続きなどについて解説していきます。

親の借金で相続のことが不安な方の助けになれば幸いです。

1.被相続人となる方の生前に相続放棄することはできない

冒頭で触れたように被相続人の生前に相続放棄をすることはできません

第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
引用:「民法第九百十五条

民法第915条には「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内」とあります。

第八百八十二条 相続は、死亡によって開始する。
引用:「民法第八百八十二条

親の借金があることを知っていて親の生前に相続放棄をしようと思っても、親が亡くなったことを知った時から3か月以内の期間でなければ、相続放棄をすることはできません。

また、裁判所の判例でも、被相続人の生前に相続放棄ができないことが明らかになっています。

東京高裁昭和54年1月24日決定は、「被相続人が亡くなる前の相続放棄は無効」としました。

さらに、被相続人がまだ亡くなっていなければ相続放棄するのに必要な相続放棄の申述書を埋めることができません。

なぜなら被相続人の死亡当時の職業や死亡年月日を記載する必要があるからです。

相続放棄の申述書は裁判所のHP(相続の放棄の申述書(20歳以上))から閲覧することができます。

2.相続放棄に変わって生前にできる対処方法

生前に相続放棄をすることはできないこととその根拠を解説しました。

では、生前に手を打っておくことはできないのでしょうか?

生前にできることとしては大きく2つあります。

ここからは相続放棄に変わって生前にできる対処方法を紹介します。


2‐1.生前に債務整理をしておく

生前にしておける対策の1つ目は、被相続人となる方が生前に債務整理をしておくことで、相続人の負担を減らすという方法です。

債務整理には大きく分けて3つの方法があります。

債務整理の3つの方法
  1. 任意整理
  2. 個人再生
  3. 自己破産

2‐1‐1.任意整理

任意整理は、債権者と交渉をして金利のカット、借金の返済額や分割回数の決定をして、和解をして、支払いを楽にする手続きのことです。裁判所を介さずに手続きを行います。

メリットは3年ないし5年を目処に返済を目指せることや、任意整理の対象となる債権者を選択できることなどが挙げられます。

一方、デメリットとしては返済できるだけの収入が必要であることや、5年ないし7年程度は新たに借入をすることができないことなどが挙げられます。

2‐1‐2.個人再生

個人再生は、裁判所を介して借金を大幅に減額してもらい、分割で支払っていけるようにする手続きです。

メリットは、次に紹介する自己破産とは違って、財産を手放さすことなく手続きできる場合があることです。また、手続を開始した後は債権者は強制執行ができなくなります

一方、デメリットは返済を継続できるだけの収入が必要なことです。

2‐1‐3.自己破産

自己破産は、裁判所を介して全ての借金をなくしてもらう手続きです。

自己破産のメリットは全ての債務の支払い義務が免除されることです。

デメリットは財産をすべて処分しなければいけないことです。

債務整理には専門知識・テクニックなどが必要になってきます。

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2‐2.生前贈与や生命保険などを活用する

生前にしておける対策の2つ目は、生前贈与生命保険などを活用することです。

まず生前贈与の活用について解説します。

生前贈与によって受け取った財産は、相続放棄をしても返す必要がありません

ただし詐害行為とみなされる場合もあるので注意が必要です

詐害行為とは、債務者が債権者を害するために、自己の財産を減少させることをいいます。

借金を抱えているにも関わらず贈与をするのは詐害行為とみなされて、債権者に贈与を取り消されることがあります。

次に生命保険の活用について解説します。

生命保険は相続放棄をしても受け取ることができます。

契約者と被保険者が同一人の場合、受け取る死亡保険金は死亡した人の財産ではなく、保険金受取人の固有の財産となります。
ですから、相続を放棄しても死亡保険金は受け取ることができます。

例えば、契約者・被保険者が夫、死亡保険金受取人が妻の場合、妻が受け取った死亡保険金は妻の固有の財産になります。死亡した夫の財産ではないため、妻は相続を放棄しても死亡保険金を受け取ることができます。

引用:公益財団法人生命保険文化センター

また相続放棄とは関係ありませんが、生命保険には「相続財産よりも早く受け取ることができる」「遺産分割で争う必要がない」「遺留分減殺請求の対象外」などといったメリットもあります。

3.相続放棄の手続き方法と期限

さて、ここまで生前に相続放棄をすることはできないこと、そして相続放棄に代わって生前にできる対処法について紹介しました。

では、相続放棄をするにはどうしたら良いのでしょうか?
いつまでに手続きをすれば良いのでしょうか?

ここから実際に相続放棄をすることになった時のことについて解説していきます。

3‐1.相続放棄の手続き方法

相続放棄をするのに必要な書類や費用は裁判所のHP(相続の放棄の申述)から確認することができます。

まず相続放棄の申述のための書類をこちらからダウンロードして申述書の作成を行なってください。

次に、作成した申述書と必要書類を提出します。

手続きには収入印紙800円分および連絡用の郵便切手が必要です。

3‐2.相続放棄の期限はいつまでなのか

さきほど生前に相続放棄ができないことの根拠としても紹介しましたが、相続放棄の期限は民法第915条で次のように定められています。

第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
引用:「民法第九百十五条

相続放棄は相続開始を知ってから3か月以内に手続きをしなければなりません。

ただ、民法にもあるように3か月以内であれば期限を伸ばすことも可能です。

期限の伸長に必要な書類・費用については裁判所HP(相続の承認又は放棄の期間の伸長)で確認することができます。

4.相続放棄は被相続人の生前にはできないが生前にできる対処法はある

「親に多額の借金があるとわかっていて親の生前に何か手を打っておきたい」
「親の借金を絶対に引き継ぎたくない」

という方に向けて

相続放棄は被相続人となる方の生前にはできないということ
生前に相続放棄ができない代わりに生前にできる対処法
相続放棄の手続きと期間

について解説しました。

生前にできる対処法としては、「被相続人となる方が債務整理をすること」「生前贈与や生命保険を活用する」ということがあげられます。

この記事が親の借金で相続周りのことが不安な方の助けになれば幸いです。

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