ねんきん定期便が届いたのですがどういう風に見たら良いのでしょうか
年に1回、誕生月に届くねんきん定期便は、将来もらえる年金額やきちんと納付しているかを確認することができる書類です。
ねんきん定期便は、自分の老後のプランを考えるために大切なものです。
しかし「ねんきん定期便をどのように見たら良いのか」があまりよくわからない方もいるのではないでしょうか。
この記事では「ねんきん定期便の見方がよくわからない」という方に向けて、ねんきん定期便の見方を解説することで、年金のことや老後のことに関する不安・疑問を少しだけ解消します。
なおこの記事は、35歳、45歳の方を除く50歳未満の方に届くねんきん定期便について解説しています。
- 35歳、45歳、50歳以上の方には、この記事で紹介したものとは違う種類のねんきん定期便が届きますのでご注意ください。
もくじ
1.これまでの納付額(累計額)
赤枠で囲った部分をご覧ください。
この欄にはこれまでに納付した金額の累計が記載されています。
1‐1.国民年金保険料
(1)国民年金保険料(第1号被保険者期間)には、これまで国民年金の第1号被保険者として支払った保険料の合計額が記載されています。
1‐2.厚生年金保険料
(2)厚生年金保険料(被保険者負担額)には、これまで厚生年金の被保険者として支払った保険料の合計額が記載されています。
この欄は「一般厚生年金期間」「公務員厚生年金期間」「私学共済厚生年金期間」に分かれています。
2.これまでの年金加入期間
老齢年金を受け取るためには、保険料納付済期間と国民年金の保険料免除期間を合算した資格期間が原則として10年以上なければいけません。
赤枠で囲った部分をご覧ください。
この欄にはこれまでの年金加入期間が記載されています。
特に受給資格期間の欄に注目してください。
老齢年金を受け取るためにはこの受給資格期間の欄が120月以上(つまり10年以上)になっている必要があります。
次では受給資格期間を求めるのに合算される各種保険加入期間の欄について簡単に解説しています。
2‐1.国民年金加入期間
国民年金の欄は「第1号被保険者」と「第3号被保険者」の2つに分かれています。
第1号被保険者の欄には、第1号被保険者として保険料を納めた期間および保険料が免除された期間の月数が記載されています。
また、保険料を納入期間期限よりも前に納めている場合は、送付されている「ねんきん定期便」の作成された日にち以降でも納付済月数に含まれています。
第3号被保険者の欄には、第3号被保険者の期間として登録されている月数が記載されています。
2‐2.厚生年金加入期間
厚生年金の欄は「一般厚生年金」と「公務員厚生年金」と「私学共済厚生年金」の3つに分かれています。
それぞれ、一般の厚生年金保険の被保険者であった期間の月数、公務員共済組合の被保険者であった期間の月数、私立学校教職員共済組合の被保険者出会った期間の月数が記載されています。
2‐3.船員保険加入期間
船員保険の被保険者であった期間の月収が記載されています。
2‐4.合算対象期間等
合算対象期間等の欄には、年金額には反映されないけれど受給資格期間に算入される月数が記載されています。
これらそれぞれの期間を全て合算した期間が受給資格期間ですか?
これら「国民年金」「厚生年金保険」「船員保険」「合算対象期間等」を合算した月数が受給資格期間です。
この受給資格期間が120月(10年)以上ないと老齢年金を受給することができません。
3.これまでの加入実績に応じた年金額
赤枠で囲った部分をご覧ください。
この欄にはこれまでの加入実績に応じた年金額が記載されています。
あくまで現時点での年金額なので、加入期間が短い人はかなり少ない年金額が記されています。
現在22歳の筆者は年額3万円程度になっています。
3‐1.老齢基礎年金
国民年金・厚生年金保険・船員保険の加入実績を元に算出した老齢基礎年金の年額が記載されています。
老齢基礎年金は、国民年金に加入して、一定期間保険料を納付した被保険者が65歳に達したとき給付される年金です。
3‐2.老齢厚生年金
厚生年金保険・船員保険の加入実績を元に算出した老齢厚生年金の年額が記載されています。
老齢厚生年金は、厚生年金の被保険者期間があって、老齢基礎年金を受けるのに必要な条件を満たした方に老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金が支給される年金です。
4.ねんきん定期便を見て老後のプランを考える
35歳、45歳の方を除く50歳未満の方に届くねんきん定期便について解説しました。
よく「年金はあてにならない」と言われます。
実際、年金は世代間扶養と言われていて、少子化の進む日本において将来的に十分な年金がもらえるかどうか確実なことは言えません。
年金に依存しない人生設計を考えるのは良いことだと思います。
しかし、あてにならないからといって完全に無視するのではなく、年に1回ねんきん定期便が届いた時くらいは、年金に向き合ってみるのも必要なことだと考えています。
せっかく保険料を納めているのであれば、自分がこれまでどれほど保険料を納めていて、将来どれほど年金が貰える見込みなのかということは把握しておいた方が良いと思います。
そしてそれを把握するためにねんきん定期便があります。
この記事を読んだことで、ねんきん定期便を見るのに役に立ったのであれば幸いです。
- 35歳、45歳、50歳以上の方には、この記事で紹介したものとは違う種類のねんきん定期便が届きますのでご注意ください。