相続税の計算にあたってどこまでが葬儀費用になるのでしょうか
大切な方が亡くなった時にほぼ確実に発生するのが葬儀費用と相続です。
相続する遺産額が大きいと相続税がかかってしまいます。
相続税を計算するにあたって遺産額から葬儀費用を差し引くことができます。
相続税を軽くしたいと考えればできるだけ多くの費用を葬儀費用としてカウントしたいものです。
しかし、大切な方が亡くなって発生した費用の全てが葬儀費用として数えられるわけではありません。
例えば、香典返しのためにかかった費用は葬儀費用に含まれません。
そこで気になることは「どこまでが葬儀費用として数えられるのか」ということでしょう。
「お通夜・告別式の時の食事代は葬儀費用になるのでしょうか」
「お墓やお位牌は葬儀費用になるのでしょうか」
こうした疑問が湧いてきます。
この記事では「相続税を計算するにあたってどこまでが葬儀費用になるのか」という疑問に答えて、相続に関する不安・疑問を少しだけ解消します。
もくじ
1.葬儀費用は相続税から差し引くことができる
相続税を計算するにあたって、遺産額が大きくなると相続税を課されます。
遺産額が大きければ大きいほどより多くの相続税を課されることになります。
相続税を少なくするという観点で見ると、遺産額はできるだけ少ない方が良いです。
相続税の計算にあたって遺産額から差し引くことができるものが3つあります。
- 葬式費用
- 債務
- 基礎控除額
葬式費用は遺産額から差し引くことができます。
葬式費用は、被相続人が亡くなった際にほぼ確実に発生する費用であり、相続財産から支払われることが多いため、遺産額から差し引けることになっています。
また、被相続人が抱えていた債務は相続人が受け継ぐことになります。
そのため被相続人の債務も遺産額から差し引くことができます。
基礎控除額も遺産額から差し引くことができます。
基礎控除額は3000万円 + 600万円 × (相続人の数)によって計算される金額です。
相続税の計算方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひこちらも合わせてご覧ください。

相続税の計算方法
2.葬儀費用として含まれるもの
何が葬儀費用として含まれるのでしょうか
葬儀費用として含まれるものが何か解説します。
- 火葬・埋葬・納骨にかかった費用
- 遺体・遺骨の回送にかかった費用
- お通夜・告別式にかかった費用
- 葬式でお寺に読経料として支払った費用
- 死体の捜索する・遺骨の運搬にかかった費用
2‐1.火葬・埋葬・納骨にかかった費用
葬式や葬送に際し、又はこれらの前において、火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用は葬儀費用として数えられます。
また、仮葬式と本葬式を行ったときにはその両方にかかった費用が認められます。
2‐2.遺体・遺骨の回送にかかった費用
遺体・遺骨の回送にかかった費用は葬式費用として含まれます。
遺体を回送するための霊柩車費用などです。
2‐3.お通夜・告別式にかかった費用
通常葬式に欠かせないとされる費用は葬式費用として含まれます。
例えば、お通夜や告別式における食事費用や、通夜や告別式当日に参列者に渡す会葬御礼費用などがこれにあたります。
2‐4.葬式でお寺に読経料として支払った費用
葬式でお寺に対して支払う読経料は葬式費用に含まれます。
お寺側にとってはお布施に対して領収書を発行する義務はないので、自分から領収書を請求するようにしましょう。
領収書がもらえないこともあるので、お寺の名称、お布施の額、葬儀の日時、お布施を渡した日時などを明記したメモを残しておきましょう。
2‐5.死体の捜索または死体や遺骨の運搬にかかった費用
死体を捜索したり遺骨を運搬するのにかかった費用は葬式費用に含まれます。
死体の捜索は、公的機関が行うものに関しては税金からまかなわれるため費用がかかることはありませんが、民間の業者が対応しなければいけないようなケースになった場合費用が発生します。
3.葬儀費用として含まれないもの
何が葬儀費用として含まれないのでしょうか
葬儀費用として含まれないものが何か解説します。
3‐1.香典返しにかかった費用
通夜や葬儀で故人にお供えいただいた香典に対するお返しにかかる費用は葬式費用として含まれません。
3‐2.お墓や位牌の購入等にかかった費用
お墓や位牌の購入などにかかる費用は葬儀費用に含まれません。
ただし、位牌に関しては白木の位牌は葬儀費用に含まれる可能性があります。
白木の位牌とは葬式の祭壇に飾る位牌のことです。
四十九日までに白木の位牌から仏壇に飾る用の本位牌に切り替えます。
本位牌に関しては葬式費用に含まれません。
3‐3.法会にかかった費用
一周忌や四十九日などの法会にかかる費用は葬儀費用に含まれません。
3‐4.医学上または裁判上の特別の処置にかかった費用
病理解剖や司法解剖といった、医学上または裁判上の特別の処置にかかった費用は葬式費用に含まれません。
病理解剖や司法解剖は、葬式とは直接関係ないことだからです。
4.正しい知識で相続税を払い過ぎないようにする
相続税の計算において葬式費用として遺産額から差し引くことができる費用とできない費用を解説しました。
次のようなものは葬式費用に含まれます。
- 火葬・埋葬・納骨にかかった費用
- 遺体・遺骨の回送にかかった費用
- お通夜・告別式にかかった費用
- 葬式でお寺に読経料として支払った費用
- 死体の捜索する・遺骨の運搬にかかった費用
次のようなものは葬式費用に含まれません。
- 香典返しにかかった費用
- お墓や位牌の購入等にかかった費用
- 法会にかかった費用
- 医学上又は裁判上の特別の処置にかかった費用
何が葬式費用に含まれて何が葬式費用に含まれないのか、正しい知識を身につけて、相続税の払い過ぎがないように気をつけてください。
また、支払った事実がないものを葬儀費用として虚偽の申告をしたことがバレてしまった場合、追徴課税を受けてより多くの税金を納めなくてはならなくなるので、嘘はつかないようにしましょう。税務署はごまかせません。
この記事が、相続で悩めるあなたの不安・疑問の解消に少しでもお役に立てていたら幸いです。
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